立冬と餃子

2013-11-08

今年は、11月7日が立冬であった。中国の民間ではこの日を冬の始まりとしている。「立は、始まりなり、冬は終わりなり、万物の収蔵なり」。すなわち、一年の耕作が終わり、作物を刈り取った後、倉庫に収めるという意味である。

立冬と立春、立夏、立秋をまとめて「四立」と呼び、古代、中国では立冬が非常に大切な節目であった。この日になると、皇帝は自ら文武百官を率いて都の北郊に祭壇を設けて祭祀を行った。その厳粛で壮大なさまは、格別なものであったそうだ。最近では、人々も伝統的な節目をますます重んじるようになってきている。立冬には、どの家も習わしどおりにそれを祝っている。中国の南方では、立冬に鶏肉やアヒルや魚を食べる。北方、特に北京や天津あたりの人は餃子だろう。

餃子をあげるのであれば、中国の「医聖」と称えられる張仲景氏の「祛寒嬌耳湯(耳の凍傷を防ぐ効果のあるスープ)」を紹介しなければならない。伝説によると、後漢の末、張仲景は長沙の太守(県知事のような官職)を退官して帰省することになった。ちょうど冬至のこの日熱病が流行っているところに出くわした。飢えと寒さのため、両方の耳が凍傷になっている多くの民衆を見た。そこで、診療用の小屋掛けをつくり、大鍋を用意して、羊肉と唐辛子と体が暖まる薬剤を入れて煮込んだ。そして、それを餡にして小麦粉で耳の形に包んでよく煮込んだ後、スープを加えて貧しい人々に配った。

冬至から大晦日までにかけて人々はこのスープを飲むと、熱病が抑えられ、耳の凍傷も治ったという。この後、後世の人々は作り方をまね、これを「餃耳」あるいは「餃子」と呼んだ。地方によっては、「扁食」または「烫面餃」ともいわれるところもある。冬の到来を意味する立冬になると、外気にふれる耳は凍傷になりやすい。耳を養うために、耳の形に似ている餃子を食べて、耳を守るというのが家族へのもっとも暖かい心配りではないだろうか。「人民中国」

北京旅游网

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