中国の「春の外交」、ピークを迎える

2017-03-22

全国両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)閉幕後、各国の高官が相次いで訪中し、中国の指導者が頻繁に外遊している。中国は「春の外交」のピークを迎えた。

習近平国家主席の招待に応じ、サウジアラビアのサルマン国王が両会後初めて中国を公式訪問する外国元首となった。またルワンダのカガメ大統領、米国のティラーソン国務長官、イスラエルのネタニヤフ首相などが訪中した。李克強総理は間もなく、豪州とニュージーランドを訪問する。汪洋副総理はフィリピン訪問を終えたばかりだ。さらに世界経済界のリーダー、国内外の専門家を集める中国発展ハイエンドフォーラムが、北京市で開催された。年に一度のボアオ・アジアフォーラムが間もなく開幕する。

今回の春の外交には、二国間交流があれば多国間交流もあり、国家元首・政府首脳の直接的な接触があれば、経済・貿易などの具体的なレベルの協議もある。

中国国際問題研究院常務副院長の阮宗沢氏は「春は中国の外交の幕開けとなる時期だ。最近の頻繁な外交活動を見ると、協力が大きなキーワードになっている。これらの外交活動は世界に積極的な情報を発信する。つまり中国は協力ができる、協力を望むパートナーだということだ」と指摘した。

ティラーソン長官が先週末、就任後初めて訪中した。中米関係の発展の重要な時期であり、この訪問は世界から注目された。中米双方は率直かつ深く意思疎通し、今後の中米首脳会談の地ならしをし、中米関係の安定的な過渡と新たな協力の計画を促進した。

ティラーソン長官は「米国は衝突と対抗を避け、互いに尊重し、協力・ウィンウィンを目指す精神により対中関係を発展させる。米中の相互理解を絶えず促進し、米中の調和的な協力を強化し、国際社会が直面している課題に共に対応する」と明言した。「衝突と対抗を避け、互いに尊重し、協力・ウィンウィンを目指す」は、習主席が打ち出した中米新型大国関係の中身に合致する。

同じく注目されたのは、サウジのサルマン国王の、即位後初となる訪中だ。両国は訪問期間中、14件の協力プロジェクトに署名した。両国政府の生産能力・投資協力の重大プロジェクトは、金額にして約650億ドルの規模にのぼる。

サウジは中国の中東における重要な貿易パートナーであり、また「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の重要な拠点となる国でもある。中国現代国際関係研究院世界政治研究所副所長の陳向陽氏は「最近の外交活動では、経済外交が主役となっており、特徴的だ。これは互恵とウィンウィンという、中国の理念を示している。一帯一路は今年の外交活動の重点であり、最近の各分野・各レベルの外交活動のテーマでもある」と述べた。

イスラエルのネタニヤフ首相の訪中期間、双方は革新的・全面的パートナーシップの構築で合意し、大きな見所となった。イスラエルは農業、科学技術、人材育成などの強みにより、双方の未来の革新的協力に向け幅広い場を提供した。

李総理の豪州・ニュージーランド歴訪について、専門家は「今回の訪問は中国と両国の経済・貿易関係をさらに強化し、各分野の協力の拡大を促す。また一帯一路の建設推進に対しても、重要な意義を持つ」と分析した。

脱グローバル化と保護主義の台頭を受け、中国は多国間主義と包括・開放の旗印を高々と掲げ、安定性と確定性により各種不確定性に対処している。これは中国の揺れない心、責任、自信を十分に示している。

あと1カ月余りで、「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが、北京市で開催される。阮氏は「中国の率直かつ積極的で向上心のある外交活動は、世界に新たなサプライズをもたらすだろう」と話した。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月22日

中国網日本語版

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