中国は世界でぜいたく品が一番安い場所に 研究機関

2017-04-29

ぜいたく品に関して定評のある研究機関・財富品質研究院が27日に上海で、「顧客ぜいたく品グローバル価格指数」を初めて発表した。それによると、中国で輸入関税に対する全体的な調整が行われ、国境を越えた貿易が急速に発展し、高級品市場の競争が激化したことなどを受けて、ブランド側が中国における価格戦略を主体的に調整し、世界市場での設定価格とのすりあわせを行うようになった。未来の中国はぜいたく品を最も安く購入できる場所になる可能性があるという。中国新聞網が伝えた。

研究によれば、2011年と17年を比較すると、中国市場でのぜいたく品価格の海外市場との平均価格差は68%から16%に縮小し、差が52%も縮まった。中国の消費者はぜいたく品ブランドの世界最大の単一消費クラスターであり、多くのぜいたく品ブランドがEC分野に正式に進出しつつあり、消費者を素早く引きつけるためにも割引や販売促進のキャンペーンをより多く打ち出すとみられ、中国の消費者はこれから中国独自のセールシーズンを迎えるようになることが予想される。世界でぜいたく品の同一価格が実現するだけでなく、中国国内の価格がより安くなる可能性もある。

同研究院の関連報告では8品目のぜいたく品について独自のモニタリングを行っている。ジュエリー、腕時計、カバン類、衣類、靴類、香水、化粧品、スキンケア製品の8種類で、計100の国際的一流ブランドが対象となり、1千点に上るサンプル商品の17年3月時点の大陸部および大陸部以外の主要ぜいたく品消費国における市場価格を調査した。

中国の消費者は現在、世界最大のぜいたく品消費クラスターだ。同研究院のまとめた統計をみると、16年の中国人によるぜいたく品消費額は1204億ドル(1ドルは約111.1円)に上り、このうち中国国内での消費額は928億ドルだった。過去1年間に中国人は世界のぜいたく品の半分近くを購入しながら、5年連続で購入の70%が海外で行われている。20年には中国人消費者の海外でのぜいたく品消費額は1216億ドルに達し、年平均増加率は7%を保つ見込みだ。

ぜいたく品消費の深刻な外部流出減少に対し、中国政府はここ数年連続で一連の消費喚起政策を打ち出してきた。輸入を拡大して越境貿易を促進したり、15年6月1日と16年10月1日には衣類、靴類、スキンケア製品、化粧品、香水など複数品目の商品の輸入関税を引き下げたりしており、幅広く注目を集めている。

同研究院のモニタリングによれば、15年6月に財政部(財務省)が一部商品の輸入関税率を引き下げる政策を発表すると、ぜいたく品ブランドは相次いで中国での販売価格を引き下げ、長年にわたった輸入化粧品の国内外の深刻な価格差が大幅に改善された。

このたびの顧客ぜいたく品グローバル価格モニタリングの過程で、国際ぜいたく品ブランドの53%で国内外の平均価格差が15%以下であることがわかった。また29%は価格差が15~20%に縮まり、20%を超えるブランドは18%にとどまった。

地域別にみると、世界でぜいたく品の購入価格が最も低いのはやはり欧州地域だ。為替の関係で、英国での価格が大陸部との価格差が最も大きく、約24%になる。ユーロ圏のスペイン、イタリア、フランスが英国に続き、いずれも大陸部との価格差が20%を超える。欧州各地で外国人に対する税還付政策を実施していることを考えると、中国人消費者にとって、欧州でのぜいたく品購入は割に合う行為だといえる。一方、米国でのぜいたく品購入には価格的優位性がなく、大陸部との平均価格差は約15%ほどだ。

また、ぜいたく品ブランドが大陸部での小売価格を絶えず調整していることから、アジア太平洋地域の香港地区や澳門(マカオ)地区がこれまでもっていた価格の優位性が大幅に低下した。日本と韓国の価格の優位性も弱まっており、モニタリング対象となった品目・商品の一部はむしろ大陸部よりも高く、現地ブランドにある程度の優位性がみられるだけだった。シンガポールは全体としてぜいたく品ショッピングにそれほど価格の優位性があるわけではないが、地理的位置ゆえにオフシーズンの商品に独自の優位性がある。(編集KS)

「人民網日本語版」2017年4月28日

人民網日本語版

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