掘り出し物探しに絶好の場所――北京の潘家園骨董市場

2017-05-15

北京の潘家園骨董市場は中国最大の文物集散地、収蔵品市場と見られている。ここでは、景徳鎮の磁器、宜興の紫砂壷、天津楊柳青の年画、新疆ホータンの玉細工、雲南と貴州の民族服飾、それぞれの歴史的時期の骨董品、書籍、書、絵画やアンティーク調度品など、中国の民族風情と伝統色に富むものがあちこちで目に付く。

敷地面積4万8500平方メートルのこの市場には、3000ぐらいの店舗や露店がずらりと並んでおり、休日に、いつも見物客や買い物客でごったかえしている。めのうや玉細工、中国や外国の古銭、象牙細工、仏具、少数民族の装身具などの「小さな宝物」や、明・清時代の大きな花瓶、透かし彫りの窓や扉、アンティーク調度品などの「大きな宝物」はいうまでもなく、陝西省の影絵芝居の道具である「皮影」、泥でつくった彫塑のようなものだけでも、人々にめまいを感じさせるほどの魅力がある。店のあるじたちは全国各地からやってきた人たちであり、北京近くの天津や河北省から来たものもいれば、チベットや新彊などの遠隔地から来た人たちもいる。

これほどにぎわいをきわめた潘家園骨董市場は、その歴史を遡れば、最初は「鬼市」と呼ばれていたことはちょっと信じられないだろう。潘家園骨董市場の原型は、清朝末期や民国初期に出来上がった。社会が激しく揺れ動いた当時、落ちぶれた官僚や商人の家庭の子弟たちは、貧しい生活に甘んじることができなく、わが家に収蔵されている骨董をこっそりして持ち出し、闇市で売りさばいた。こうしたメンツ丸つぶれ行為を人に知られたくなかったので、彼らは午前3時頃から、提灯のあかりを借りてこそこそと取引をしていたのである。鬼と同じように太陽の光に晒されることを恐れたためか、こうした闇市は「鬼市」と呼ばれるようになった。また、「鬼市」では、盗品や持ち主のはっきりしない骨董品もよく姿を現し、大安値で売られたそうである。

骨董品を買うには

現在、古今の宝物を集めたこの骨董市場は、国内のお客さんだけではなく、掘り出物にあずかろうとする外国人も引き付けており、「文化外交」の窓口とも呼ばれている。週末には、延べ約5万の人たちがここに足を運び、年間の売上高は1億元以上を超えるといわれている。アメリカのもと大統領のクリントン氏が訪中したとき、夫人と娘さんもこの骨董市場に見物に来たというエピソードさえある。

「チャイナネット」

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