河北省保定市易県の西部、馬蘭峪の永寧山の麓に位置する清朝の皇族陵墓群。北京の西(約140km)にあるため、清西陵と呼ばれている。2000年、清東陵と合わせて世界遺産に登録された。
清の第5代皇帝雍正帝(在位1723~1735年)によって造営された。4人の皇帝とその后妃などが葬られているが、その規模は清東陵に比べると小さい。
清西陵で最も大きいのは雍正帝の眠る泰陵。大小60余りの建築物があるが、大紅門の南側に立つ石碑坊は一見の価値がある。基本的に皇帝の陵墓にはひとつの石碑を建てることになっているが、ここには3つも造られている。
昌陵は第7代皇帝の嘉慶帝(在位1796~1820年)の陵墓。彼の皇后を葬った昌西陵にある回音石と回音壁は、北京の天壇皇穹宇とここにしかない珍しいもので、観光客が少ないため、よりはっきり聞こえるはずだ。
慕陵は第8代皇帝の道光帝(在位1821~1850年)の陵墓。規模は小さいが、「金絲楠木」という希少なクスノキを使っており、内部のいたるところに1300匹以上の龍が彫り込まれている。これは、清東陵での陵墓建設が出水で中止になり、清西陵に再建した際、龍に治水させようとしたもの。
このほか、第11代皇帝の光緒帝(在位1875~1908年)の陵墓である崇陵もある。また、清朝最後の皇帝となった宣統溥儀(在位1909~1912年)の陵墓もここに造られる予定だったが、清朝が滅亡したため、未完に終わった。しかし、1995年に崇陵の北側にある陵園に墓所が造られ、現在は祖先とともに静かに眠っている。
住所
河北省保定市易県西郊外
交通アクセス
麗沢橋長距離バスターミナルから「易県」行きで終点(6:50~18:20の間20~30分に1便。38元、所要約2時間30分)。バスターミナル東側の泰元北大街路口から観光専用バス9路(6:00~17:00の間1時間に1便、6元)に乗り換えて各陵墓へ
※易県から北京へ戻るバスの最終は16:30発(38元)。早めに清西陵から戻るようにしたい
TEL
(0312)471-0012、(0312)471-0016※現地の電話番号になります。日本からおかけの場合は、中国への電話のかけ方をご参照ください。
開館時間
4~10月:8:00~17:30
11~3月:8:30~17:00
所要時間
2~4時間
定休日
なし
料金
5つの観光地の共通券(永福寺、崇陵、泰陵、慕陵、昌西陵):夏季120元、冬季80元
永福寺:通年15元
崇陵:夏季45元、冬季35元
泰陵:夏季45元、冬季35元
慕陵:夏季20元、冬季15元
昌西陵:夏季20元、冬季15元
※夏季=4~10月、冬季=11~3月