2017年版『日本青書』が発表、調整を迎える中日関係を分析

2017-06-22

中国社会科学院日本研究所と社会科学文献出版社は20日、北京市で『日本青書:日本研究報告書(2017)』の発表会を開いた。青書の要旨は下記の通り。

2016年の中日関係には両面性が併存し、全体的に安定したが駆け引きが減らず、競争が外部に波及し、依然として坂を登り溝を越え、進まなければ後退する流れだった。両国の食い違いと対抗は「2つの海」をめぐる新旧の問題に集中し、激しい緊張、広範に継続がその特徴と影響だった。同時に安全の苦境が続き、外交の駆け引きが激化し、かつ二国間の行為が外部に波及する傾向を示した。

この戦略的な対峙と総合的な駆け引きの構造は今後も一定期間続く。両国関係も「新型常態」という流れに入っている。この「新型常態」とは、中日関係の歴史における各段階に同時に存在したことのない、「和而不同(和して同ぜず)」「闘而不破(戦うが破局はしない)」「互恵・ウィンウィン」「交流継続」という4つの形式からなる。「和而不同」とは戦略的・政治的関係において対立と摩擦が存在するが、基本的な問題を模索することを指す。「闘而不破」とは、軍事・安全面を指す。一部の係争をめぐり対立が存在するが、戦争は起こり得ない。「互恵・ウィンウィン」とは有無相通ずる、正常な経済・貿易関係、相互依存を指す。「交流継続」とは人文・社会の多くの交流が展開されるが、価値観を共有するとは限らないことを指す。

しかしながら中日関係のこの「冷たい平和」の新型常態枠組みは極めて不安定で、複雑で変化が激しく、コストも高くつく。中国周辺環境の安定、中華民族の偉大なる復興という主な国家戦略目標の順調な実現を保証するため、互恵・ウィンウィンの、健全で安定的な新型中日関係の構築が必要不可欠だ。中国の対日戦略目標はこの方向を見据えるべきだ。核心的利益を損なわれないという前提条件を設けた上で、極力「日本の要素」を利用し、積極的なエネルギーを発揮することで、これを中国台頭の道で影のようにつきまとう巨額の負債にしないことが必要だ。

中日の複雑な慣らし運転・過渡期はまだ終了には程遠く、両国は適切な交流の道を見いだしていない。両国関係の今後の流れについても楽観視できない。当面の急務はまずブレーキを掛け、安定を維持することだ。これには東中国海の管理、南中国海の緩和が含まれるが、同時に好転を実現するための手段を模索する。中日は戦略的互恵関係を引き続き推進し、「政治的相互信頼」と「安全保障」という2つの不足を補うと同時に、互恵協力を大幅に強化し、中日を確かな利益共同体・責任共同体にすることができる。両国が2017年の中日国交正常化45周年、その後の中日平和友好条約締結40周年という好機を通じ、中日関係の改善を続ける条件を極力創出し、これを正常かつ健全な発展の軌道に戻すことが理想的な状況だ。

「中国網日本語版(チャイナネット)

中国網日本語版

モデルコース
人気おすすめ