中国の歴史・文化名城の天津市では、東洋の文化と西洋の文化がここで融合していたことから、東洋風と西洋風の建物をあちこちで目にすることができ、歴史建築物とモダンなビルがともに立ち並ぶユニークな町並みが見て取ることができる。「北京の四合院、天津の一戸建て住居」といわれているように、天津の一戸建て住居はもっとも特色のある建物である。天津市中心部の第五大通りにある一戸建ての建築物群は「建築芸術の宝庫」とさえいわれている。ここでは、西洋風の別荘様式の建物が300カ所もあり、そのうちの100カ所以上は歴史に名を残す知名人の旧居である。
大理道にある建物:
1.陳光遠旧宅
大理道48号
1924年建設、建筑面積1170平米
レンガ・コンクリート構造の3階建ての住宅。外壁は硬質レンガで築かれ、屋上には中国式の亭が設けられていて、中西折衷のスタイルである。
陳光遠(1873~1939)、中華民国初期に江西督軍を務めた。
2.孫震方旧宅
大理道66号
1931年建設、建筑面積1900平米
レンガ・コンクリート構造の2階建ての住宅。コンパクトな造りで、アーチ型や方形の門・窓はすっきりとしたラインで造られている。明るい色の外壁と赤い瓦の屋根との対比が鮮やかで、スペインの民間建築の特徴を備えている。解放後、毛主席と周総理が天津を訪問した際にはここに宿泊した。
孫震方、安徽省寿県の人、近代の実業家。
3.周明泰旧宅
河北路277号
1933年建設、建筑面積1025平米
中庭式住宅で、折衷主義建築の特徴を備えている。外壁は褐色の硬質レンガで築かれ、1階にはアーチ型のポーチ、二階にはベランダがついている。
周明泰(1896~1984)、近代の実業家・周学熙の長男、伝統演劇史の専門家。