インターネット+時代の新しい「食」

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今年33歳になる北京のホワイトカラー筱書さんは、ほとんどすべての「食」に関することがらをスマホで解決する。彼女のスマホには「食」に関する各種のアプリがインストールされており、レストランで使うグループ購入クーポンアプリのみならず、出前をとるのも、食品購入も、すべてインターネットを使って行う。

「柴米油塩醤酢茶」と称されていた生活必需品がすべて、総合インターネットサイトで一度に買いそろえることができる。一定の期間ごとに日常生活で必要なものをまとめて購入し、家を出ずにスーパーマーケットに行っているような感じだと彼女は語る。

家を出なくとも食事に困らずモバイルインターネットの発展、特にオンライン・ツー・オフラインモデルの迅速な拡張により、中国人の「食」の消費モデルや習慣が変わりつつある。

今では出かけたくない、食事を作りたくないときは、スマホの上に指を滑らせれば、おいしそうな食事が家まで届けられる。ショッピングで足が棒になり、食べる場所を探そうと思った時には、先にスマホを取り出し、近くにグループ購入クーポンを扱っているレストランがないかをチェックする。家に来客があり、もてなし料理が必要なのに、自分には料理の腕がないというときにも、既製のおかずを注文し、家で少し手を加えれば友達にも面目が立つ。料理の途中に塩を切らしていることに気づいても、すぐ注文すれば、家を出なくても30分もたたないうちに塩が台所に届く。

中国調理協会の姜俊賢会長は、生活リズムのスピードアップが「怠け者経済」を生み出し、食品や飲食物の宅配は人々の需要の発展の必然の結果であり、飲食品の宅配マーケットが成熟してゆくにしたがって、百度やアリババ、騰訊といったインターネット大手が次々と参入していった。彼はインターネットの迅速な発展が人々の家事や生活を完全に変えてしまい、各業界の「インターネット+飲食」ブームの白熱化は続いてゆくだろうと考えている。

とくにeコーマスと地域コンビニの販売協力モデルが、食品の配送をさらに効率化・高速化している。携帯アプリで注文を出すと、付近のコンビニから出荷され、小さいものはビスケット一箱から、大きなものは飲み物1ケースまで、すぐに配達される。一部のビジネスパーソンは仕事の休み時間に果物やスナックなどを買うために、配達は30元からという条件を2人の注文を合わせてクリアするなどで解決し、毎日豊富で新鮮な食品を手に入れている。まさにこうした利便性が中国の食品や飲食のオンライン・ツー・オフライン市場の「黄金時代」を後押ししている。2015年、中国の飲食オンライン・ツー・オフライン市場規模は1389億元となり、2014年に比べ46.8%増となり、5年で市場は10倍以上にふくらんだ。

飲食業が「インターネット+」を取り込む現在、インターネット技術はしだいに飲食業界の中に浸透し、位置情報、支払い、注文、集客、ビッグデータなど各局面から飲食業のアップグレードを推進している。飲食業界は新しい時代に入り、このような趨勢はすでにどんどんはっきりとしてきている。特にモバイルインターネットの介入は、従来の飲食製品の利益分配構造を再編成しただけでなく、各段階の飲食業のモデルチェンジの促進に推進的作用を果たした。中国レストラン協会の韓明会長は、組織的特徴からみると、飲食業は「ミクロ化時代」に入り、企業はさらに専門化、特色化、大衆化していると考えている。「飲食業とインターネットの融合にはとても大きな潜在力があり、グループ購入・予約、宅配や評価など、インターネットはどの段階の飲食業にもモデルチェンジの推進的作用をもっています」。

過去一年、ますます多くの従来型飲食業者がオンライン・ツー・オフラインに乗り出した。北京では、聚徳華天の旗下にある鴻賓楼、砂鍋居、烤肉季、烤肉宛、峨嵋酒家、護国寺小喫などの老舗飲食店もeコーマス企業との提携を始めている。消費者はスマホで注文するだけで、老舗の名物料理や北京の伝統的お菓子や飲み物を家まで届けてもらうことができる。聚徳華天のマーケティング営業部の責任者である劉健さんは、今では、老舗も宅配のうまみを味わっていると語る。「現在、われわれは宅配だけでも収入が70万元増えています」。そしてこれらは多くの従来型飲食業が積極的にオンライン・ツー・オフラインをとりこんでいる一例に過ぎない。易観が発表した2015年12月の中国のオンライン宅配市場のデータによれば、2015年12月の宅配市場全体の取引規模は70億9000万元に達し、前年同期比10%を超える増加となっている。

宅配のオンライン・ツー・オフラインのほか、「インターネット+」時代の飲食業は顧客の個別化需要に注目している。人々の生活水準があがると、その舌もますます肥えてきた。おいしく、かつ衛生的に、そしてたまにはセンスさえも求める。これらの需要を満足させるために、「マイコック」アプリまで出現しはじめた。

筱書さんのスマホには、総合ショッピングサイトのほかに、多くの「マイコック」アプリがある。これらはみな地理情報に基づき、近くのグルメをさがすオンライン・ツー・オフラインプラットフォームである。

たとえば、「吃几頓」というアプリにログインすると、たちまち3.5キロ範囲内のオンラインのマイコックのお得意料理の写真が出て来て、その写真の下にはコックの写真がついており、それをクリックするとコックに関する情報を見ることができる。好きなメニューを選び、注文を出すと、コックのお得意料理が届けられるという仕組みだ。その創始者である胡忠さんによると、このアプリは5カ月あまり前に運営を始め、毎日平均のコックオンライン率は70~80%で、オフィスワーカーや妊婦、幼い子をもつ母親らが主な注文主であるという。「吃几頓」が正餐を中心にしているのに対し、「覓食」というアプリは、焼き菓子やオリジナルの酒、自家製乾物などの民間の手作りのグルメが中心である。現在、「覓食」はすでに全国

300以上の都市をカバーしており、1万5000軒の登録コック、40万以上の日常ユーザーがいる。「シェアエコノミーはこの市場に切り入るための最もよい方法で、家の近くのレストランは20軒ほどしかないですが、ここには1000にものぼるキッチンがあります」と、「覓食」の創始者である馮暁さんは語る。しかし、勢いよく発展する「インターネット+」飲食業もまた問題を抱えている。その中で最も注目されているのが食品の安全である。中央テレビが3月15日にオンライン宅配注文プラットフォーム「餓了嘛」の個別登録業者の加工条件が劣悪で、衛生状態が極めて悪いという問題をリークしたが、インターネットの「バーチャル」という特性がこれらの問題の発覚をますます難しいものとしている。これらの問題を解決するためには、政府部門の監督を強化するほかにも、オンライン食事注文プラットフォームが自律的に業者の参入制度を厳格化し、審査と監督管理を強める必要がある。

その実、インターネット食品販売にしても、宅配にしても、マイコックにしても、とどのつまり、消費者との間に信頼関係を結ばねばならない。筱書さんにしてみれば、インターネットで食品を売る業者は量が表示より少なかったりすることは許されないし、宅配レストランは食品安全を保証しなければならない。この「インターネット+」が湧き起こる時代に、これ幸いと実力もないのに参入した一部の業者は、しだいに淘汰されてゆくのが自然の規律であるともいえる。

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