知る人ぞ知る、穴場ギャラリーでモダンな北京を感じる

2017-08-01

北京といえば中国の首都でありながら、古代中国の六代王朝の都でもある。そんな北京のイメージといったら、故宮や紫禁城、古い胡同、中国風を漂う伝統的な建物が頭の中に思い浮かぶだろう。しかしそれはもはや北京に対するひとつのストレオタイプだ。国際大都市の北京には世界のカルチャーが融合し、新たな変化を見せている。

そして今、北京の変化を目の当たりにした人たちに注目したい。彼らはアートというツールで、新たな北京を世に送り出そうとしている。今回は観光客にとってあまり馴染みのないギャラリーで、北京の今を知ってもらいたい。

▲紅門画廊 Red Gate Gallery

中国最初の現代芸術ギャラリーとも言える「紅門画廊」は1991にオープンした。そのオーナは中国人ではなく、オーストリアのブランさんという人だ。誰よりも中国の変化に気づき、動き始めたブランさんが現代アートに注目した。今の「紅門画廊」は20人以上の中国人アーティストが在籍し、作品は油絵に留まらず、版画、中国画、装置アートなど幅広い活動ぶりを見せている。

中国の若いアーティストを世に送り出す一方で、世界とのコミュニケーションも忘れていない。2001年から「紅門画廊」は世界多くのアート機構と連携し、海外アーティストの中国訪問を果たした。

今、世界各地から年間約70人のアーティストが「紅門画廊」の協力によって中国で仕事や個展を開くことが出来る。二十年前からも中国現代芸術の第一線にいるブランさんは、この早い変化を遂げている北京でこそ、インスピレーションをもらっているという。

最近開いた李金国さんの個展では、遺伝子などのテーマを取り上げた。

子供の時からもう自分のおもちゃは自分で作っていたという李金国さん、それから周りを観察し始めた。ビリヤードの玉は以前からもう気になって、丸くて色鮮やかで、肉眼で見られる原子に似ているそうだ。それをいろんな形に組み立てることで、自分がほしいものは全部これで出来上がるような気がしたと李さんは考えていた。他の作品にも中国アートの「今」を感じ取れる一面がある。

毎年テーマやジャンルにこだわらず、いつも最新の現代アートを提供し続けている「紅門画廊」、これからもより多くのひとを芸術の世界へ導くだろう。

<詳しい情報>

営業時間:9:00~17:00

場所:北京市崇文門東大街東便门角楼一階&四階

TEL:(+86 10) 65251005

MAIL:brian@redgategallery.com

ホームページ:http://www.redgategallery.com/zh

▲紅磚美術館 Red Brick Art Museum

「紅磚美術館」は北京の朝陽区東北部にある大型アートゾン。総敷地面積はのべ二万平米、展示スペースは一万平米近い。2014年、コレクターの闫士潔さん、曹梅夫さん夫妻によって立ち上がった。美術館のメイン展覧館は地上二階、一部地下一階の構築で、展覧スペース九つ、公共スペース二つ、アートグッズコーナー一つの構造になっている。中国風な外観、そして伝統的な中国庭園と現代美術をうまく融合し、ひとつひとつの建物も風景になっている。

そのほか、学会などが開かれる会議室、レストラン、カフェや会員制クラブも園区内に点在し、アートを楽しみながらもコミュニケーションの場が充実している。

今年の5月28日から8月27日まで、マルセル・デュシャン賞を受賞した八名のアーティストの作品が展示される。中には中国初披露の作品もたくさんある。この展示会のテーマはTension、的確にはHigh Tensionという。この言葉はフランス語にいろいろな意味があって、ここではアーティストが今の社会の矛盾を面した時、中立的な姿勢を拒む態度を表す。そんなアーティストたちは絵画や映像などの手法で自分の考えや世界を表現する。

定期的に特別な展示会を開くことだけではなく、「紅磚美術館」の展示スペースでは違うジャンルの現代芸術作品がたくさんある。

館内にはドレスコードがあって、そんなに厳しくはないが、身だしなみをきちんと整って、サンダルなどをやめたほうがいい。ちゃんとした服装でアートを楽しもう。

<詳しい情報>

営業時間:

【夏季】5月1日~9月30日(火曜日から日曜日まで):10:00 - 18:00(17:30にチケット発売中止)

【冬季】10月1~来年4月30日(火曜日から日曜日まで):10:00 - 17:30(17:00にチケット発売中止)

場所:北京市朝阳区顺白路红砖美术馆

TEL:+86 10 8457 6669

ホームページ:http://www.redbrickartmuseum.com/cn/top/index.html

▲芸術8 YISHU8

「芸術8」は北京中心部にあるアートギャラリー。フランスの哲学者、作家の佳玥さん(ChristineCayol)と中国の実業家薛運達さんの努力によって立ち上がった。

もともとは中国の中法大学だった場所をリフォームし、赤いドアと灰色なレンガの建物は今、「芸術8」となった。

ここでは定期的に中国やフランスのアーティストの個展を開く。また、音楽会や新作発表会などの活動も承っている。この美術館は目立った建物はないが、古い路地に位置し、「老北京」の雰囲気を漂う町並みに入って、現代芸術の作品を見るのもなかなかいい経験。北京の「昔」と「今」を感じられる場所だ。

<詳しい情報>

営業時間:11:00~17:00(月曜日から土曜日まで)

場所:北京市東城区东皇城根北街甲20号(元中法大学)

Tel : +8610 6581 9058

アクセス:地下鉄5番線「東四駅」/地下鉄6番線「南锣鼓巷駅」で下車

ホームページ:http://yishu-8.com/

▲星 空間 STAR GALLERY

「星 空間」は2005年にオープンしたギャラリー。北京の「七棵树」というクリエイティブパークに位置し、1000平米の展覧と保存スペースを有している。初期の「星 空間」は主に中国の若手アーティストを発掘することに集中したが、今は業務を拡大し、個展や出版などにも力を入れ、昔と違う形でアートを広めた。

最近は張子飘さんの個展を開いた。テーマは「肤浅绘画一零一」という今回の個展は、張さんが2016年から2017年に作った21枚の新作を発表した。

落書きのような筆のタッチは色鮮やかの色彩ブロックになって、簡単で幼稚なものから直感的に感じるという張子飘さんの考えを表す。

また、過去の個展にも日本の若手アーティストを抜擢し、グローバルで新鮮のアート作品がここ「星 空間」で見られる。

<詳しい情報>

営業時間:火曜日から日曜日:12:00~18:00(月曜日は定休日)

場所:北京市朝陽区半截塔村路55号七棵树创意パークC5

Tel:+86 10 64189591

ホームページ:http://www.stargallery.cn/exhibition.php

▲UCCA(尤倫斯当代芸術中心)  Ullens Center for Contemporary Art

UCCA(尤倫斯当代芸術中心)は北京有名なアートパーク「798」に位置し、2007年にオープンして以来、国内外のアーティストと連携し、アートの魅力を多くの人に伝えた。

今まで90回を超える個展を開き、延べ150万人が訪れたという。

中には印象に残ったのが曾梵志さんの個展ーー「散歩」。曾梵志さんの三十年の創作を一括し、アーティストのこれまでの歩みをまとめた。「散歩」というテーマは曾梵志さんが1990年に作った作品の名から取った。人々を曾梵志さんのアートの旅を一緒に歩みさせたいという。

一見荒っぽい筆ざわりが、色鮮やか壮大な作品で見る人を感動させる。

また、尤倫斯当代芸術中心はアート教育にも力を入れる。定期的にアートコースを開くことで、子供にアートの魅力を実感させる。そして、テーマの異なる個展を頻繁に開くことで、訪れる度に新たな発見が見つかり、何度も何度も行きたくなってしまう魅力的なところだ。

<詳しい情報>

場所:北京市朝陽区酒仙橋路4号798艺术区4号路尤倫斯当代芸術中心

営業時間:火曜日から日曜日:10:00~19:00(最終入場時は18:00まで)

Tel:+86 10 5780 0200

ホームページ:http://ucca.org.cn/

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