北京、無農薬でいちご本来の香りを楽しむ

2017-10-13

北京市郊外には多くのいちご畑があり、人々は赤く甘い果実を摘み取り、その場で食べることができる。昌平区南邵鎮にあるいちご畑の経営者は、台湾の女性だ。彼女は声が小さく頼りなさそうに見えるが、無農薬・ホルモン剤という手段により、「芝心草いちご園」の経営を続けている。

台湾苗栗県大湖郷のいちご栽培技術により、鐘雪玲さんは2012年に昌平区で開かれた第7回世界いちご大会に出場した。鐘さんと夫はその後、北京で農園を経営し始めた。生活を楽しみ、自然を愛し、農薬を使わない。これは夫婦の夢だった。彼女はいちご畑の名称「芝心」の由来について話してくれた。「いちごの形はハートのようで、私たち台湾の農家の心を象徴している。私たちは心をこめて栽培し、お客さんは心から味わう。いちごは植物なので、くさかんむりをつけ芝心にした」。

鐘さんによると、このいちご園には全長50メートルの13のビニールハウスがある。毎年12月から翌年の5−6月のいちご狩りシーズンに、ビニールハウスからそれぞれ約750キロのいちごが収穫される。また2ヶ所の畑には、野菜が植えられている。人々は野菜を収穫した後、そばのかまどで料理をすることができる。子供たちは畑の中を自由に走り、小動物に餌を与え、トウモロコシの粉を挽くことができる。鐘さんは農園を経営しようと思った理由について、「私たちの世代の人にとっては、畑やかまどが懐かしい。子供たちは親や祖父母の生活を理解できる。自分で収穫することで、子供たちは大自然と接し、収穫の喜びを理解できる。しかもこれらの植物はすべて天然のもの、命そのものだ。これらは徐々に都市に住む現代人に忘れられようとしている」と話した。

他省出身者として、鐘さんは農園を経営する6年間で、多くの問題と挫折を迎えた。彼女によると、最も難しかったのは「いちごを栽培する人」を探すことで、しかも自分の「安全ないちご」という理念を理解してもらう必要があった。また市場マーケティングや消費者との交流にも、多くの手間暇をかける必要がある。しかしながら彼女を最も悲しませたのは、従業員の裏切りだ。いちご園の従業員は一昨年、競争相手にそそのかされ、集団辞職した。彼女はさらに、脅迫されることもあった。鐘さんは当時諦めようと思ったこともあるが、お客の支持に心を温められたという。従業員全員が離れていったとき、お客はSNSを通じ友人をいちご狩りに誘った。彼女はこうして、難関を乗り切った。そのため鐘さんは、「恩に報いる」を口癖にしている。「お客さんの支持で、私は勇気づけられた。昨年のいちご農薬事件は、まったく影響がなかった。うちのお客さんは、化学肥料、農薬、ホルモン剤の使用を避けて、初めていちごそのものの甘味と香りを楽しめることを知っているからだ」。

いちご園の経営は赤字が続いているが、鐘さんは今の経営に取り組み、今の境遇に安んじると話した。これは彼女の人生の教訓だ。彼女は、来年は今年よりも良くなると信じている。彼女は天津市や無錫市の取引先と経営するいちご園を大きくし、いちごの栽培を目指す人に技術サポートを行おうと計画している。

「中国網日本語版(チャイナネット)」より

中国網日本語版(チャイナネット)

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