中国インバウンド観光産業に影響する要因とは?

2017-12-14

シンクタンクのグローバル化シンクタンク(CCG)と旅行予約サイトの携程旅行網(Ctrip)がこのほど共同で発表した報告書「中国インバウンド観光の急速発展を推進し、全域観光の効果向上のメリットの全国への波及を促進する」によると、中国のインバウンド観光産業の発展は、中国への入国ビザ、観光宣伝活動、言語・文化、観光コスト、観光の環境といったさまざまな要因の影響を受けているという。「国際商報」が伝えた。

▽中国のノービザ・期間限定のノービザ政策はインバウンド観光のニーズにつりあっていない

多くの外国人にとって「パスポートさえあれば、どこにでも行ける」のは当たり前のことだが、中国の現時点でのノービザ政策および期間限定のノービザ政策はまだ徐々に開放を進めている段階にあり、インバウンド観光のニーズにまったく追いついていない。現在、中国が個人のノービザでの入国を認めている国は日本、シンガポール、ブルネイ、サンマリノだけで、中国との間で団体ツアーの相互ノービザ合意に調印した国はアゼルバイジャン、ベラルーシ、ロシア、グルジア、モルドバ、トルクメニスタンの6ヶ国を数えるのみで、72時間以内の滞在のノービザ政策実施している通関都市は北京、上海、広州、成都、西安、桂林、厦門(アモイ)、瀋陽、天津など15都市にとどまる。海南省が26ヶ国のツアーに対して21日間のノービザ政策を、広西チワン族自治区桂林市がASEAN10ヶ国の団体ツアーに6日間のノービザ政策を打ち出す以外は、中国のほとんどの地域でビザ政策が今なお厳格に実施されており、インバウンド観光産業の発展にはマイナスだ。

▽インバウンド観光の宣伝に革新と双方向性なし

観光PRは中国のインバウンド観光発展を推進する最も直接的な方法だ。現在のPR活動はいまだに政府主導で、国全体のイメージをアピールするものが多い。

▽言語・文化の違いがインバウンド観光の発展に影響し、環境問題が外国人観光客の新たな懸念になっている

中国と他国とでは言語や文化が異なり、価値観の相違が生まれ、観光をめぐる嗜好にも影響がある。嗜好には観光の動機、目的地の選択、審美眼、消費観、食事の好みなどが含まれる。このほか環境問題が新たな影響要因になっており、ある調査では、今後しばらく中国旅行の予定はないとした外国人観光客のうち、10%が「大気汚染を懸念している」と答えたという。

▽外国人観光客は観光コストにより注目する

第一に、欧米諸国と中国とは距離が遠く、高い交通費がこうした国の人々の中国旅行における主要支出になっている。第二に、中国の観光地や交通機関は入場料や通行料が必要なところがほとんどだが、欧米の観光スポットや国立公園、博物館などは無料のところが多く、通行料も低額で、欧米の観光客は中国に来て心理的な落差を味わうことになる。第三に、中国観光市場では、国内の観光客の数が非常に多く、特に法律で定められた祝休日の連休期間には、旅行コストが高止まりする。人民元レートの値上がりも、外国人観光客の中国観光への見方に一定の影響を与えている。

▽総合的実力が観光体験全体に影響を与える

インバウンド観光の体験はさまざまな側面に関わっており、特に総合的なソフトパワーと密接に関わる。観光そのものだけでなく、観光の過程で出会ったモノやコト、たとえば都市の発展レベルや先進性、インフラの整備状況と人への優しさの度合い、地域の商業の発展や規範のレベル、異なる文化が溶け合うことの難しさ、現地の人の性質・教養のレベルなどがインバウンド観光体験に影響を与える。インバウンド観光に中国の発展をよりよく反映させ、中国の物語を伝えるには、各方面の努力と協力が必要だ。

「人民網日本語版」より

人民網日本語版

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