切って焼いて、北京風焼肉「炙子焼肉」の味は?

2020-06-27

中国ではさまざまな焼肉料理が存在します。一番普通なのは鉄や竹の串に肉を刺さるバージョンの「羊肉串」という焼肉だが、北京にはほかにはない一風違った焼肉があります。それは遊牧民族の料理からアレンジした「炙子焼肉」です。最初は大きめにきった肉をねぎ、しょうが、タレに付けてそのまま焼いてから完成だったが、今は専用な調理用具も作り、よりおいしくいただけます。

▲焼肉季

風景優美の有名観光地「什刹海」の前海に位置する炙子焼肉の老舗「焼肉季」の店名はもともと「潞泉居」だったが、店主の苗字が「季」と言うことで、今の名前に呼ばれるようになりました。店の前身は清の道光二十八年(1848年)に、什刹海の湖の隣で開業する小さな屋台でした。

北京一の観光地で、また商業繁栄の地としても栄えた場所で商売をすることで、小さな屋台が一気に有名になりました。露店で肉を焼く音、遠くまで届く香りが人々の足を止め、立ったまま焼肉を食べる人が続出していました。

後に大きな店を構え、この味は百年以上も続き、中国の多くの有名人がここの常連さんだと言います。また、店の前の額はあの映画『ラストエンペラー』で有名な溥儀の弟が書いたもので、随所歴史の流れが窺えます。肝心な料理の味は言う事なし。この炙子焼肉が使うのは牛肉と羊肉、ざっくり切った肉を「炙子」という日本で言う「鉄板焼き」のような調理具に載せ、長い箸で肉をひっくり返し、両面がじっくり焼きあがったら完成。食べごろになった肉と「焼餅」という中国風のパンと一緒に食べるのが一般的な食べ方です。

現在の「焼肉季」の店は環境が整えられ、焼肉だけではなく、工夫を凝らした北京料理のメニューもたくさんあります、肉を食べ、中国酒を飲み、中華料理も食べれて、まさに「一石三鳥」でしょう。

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■本店

場所:北京市地安門外大街前海東沿い14号

営業時間: 06:00-09:00

                  11:00-23:00

■鮮口魚店

場所:北京市鮮口魚胡同72号

営業時間:11:00-21:30

▲焼肉苑飯荘

北京風焼肉の老舗の中にも一番歴史が長いのはこの「焼肉苑」、清・康煕二十五年(1686年)に創業し、今は300年以上続きます。北京には「南苑北季」という言い方もあり、それは焼肉苑と焼肉季この二つの店のことを指します。

この老舗はすべては宛さんという人から始まり、彼は肉屋さんで、手押し木車に牛肉と羊肉を載せ、道端で販売していました。この屋台を二代目のオーナーが継ぐと、炙子を設置し、焼肉を売り始め、三代目になってようやく店を建て、焼肉屋としての経営がスタートしました。

店を出した当時の常連さんの評価は今にも至り、その焼肉は油加減が最高で、豆腐よりも柔らかい。焼きあがったお肉をきゅうり、熱々の焼餅と一緒に食べると、冬でも汗だくになってしまうことが多いです。

今は本店のほかにも二店舗を展開し、あまり多くの店を出していないことも味をしっかりする証で、ファンの間では好印象です。通りで京劇の名役者梅蘭芳や水墨画の巨匠斉白石もこの味の虜になり、多くの物語を残っています。

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場所:北京市西城区南礼士路58号

営業時間:6:30-9:00

    10:30-22:00

▲義聚成炙子焼肉

「義聚成」も北京になる炙子焼肉の老舗で、1898年北京の繁華街「前門」の大柵欄エリアの門框胡同に位置し、一度店は消えたが、再び経営がはじめ、今に至り営業しています。本店は小さくて、大人数での食事は対応できないが、二番店は割りと大きめでたくさんの人で行っても楽しく食事を進めます。

特筆すべきなのは自家製の中国「白酒」で、焼肉との相性は抜群で、脂っこさも解消できます。初めて来た人も心配なし、親切なオーナーは焼き方や食べ方を教えします。牛タンも食べられ、さらに焼き中華面もタレとあわせよく混ぜたら絶品です。野菜や主食のメニューもたくさんあり、北京のB級グルメも食べれるのは正直意外です。(北京にはどんなB級グルメはありますか、詳しくはこちら:~北京のグルメを食べ歩く旅~をチェックしてください)

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■前门店

場所:北京市廊房二条86号

営業時間:10:00-22:00

■大柵欄店

場所:北京市門框胡同26号

営業時間:10:00-14:00

    17:00-22:00

▲劉記炙子焼肉

食卓を囲んで炙子焼肉を食べるのは冬の北京の風物詩。酒あり、肉あり、友あり、北京の寒さも忘れられます。北京・虎橋坊の「劉記炙子焼肉」はまさに友達と飲み会をやる場所と言えましょう。

焼肉はもちろん、さわやかですこし酸っぱい「酸菜」をお肉と一緒に食べるのは最高においしい。酸っぱい味が食欲をそそぎ、思わず唾液を分泌し始め、肉のうまみとマッチし、さらに胃腸にはよく、食べすぎによる胃もたれも解消してくれます。

肉も新鮮で、タレの塩分もちょうどよく、健康に優しい。酒に苦手の方は店にある「花生露」というドリンクをおすすめします。滑らかな食感とミルクのような味は味の濃い焼肉を食べるときの口変えにぴったり。

夕食などの込んでいる時間帯になると行列を並ぶ必要はありますから、食べたい方は早めに行ったほうをおすすめします。

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■虎橋坊店

場所:北京市虎橋坊腊竹胡同85号

営業時間:10:30-23:00

■大柵欄店

場所:北京市大柵欄西街74号

営業時間:10:30-14:00

                 16:00-23:00

▲厚味居楼北京炙子焼肉

1997年創業の「厚味居楼北京炙子焼肉」は今回紹介する店の中では一番「若い」店です。老舗とはいえないが、炭火で自分の好みの焼き加減でのお肉が食べられることで常連さんもたくさんいます。

南緯路店は二階立てのビルで、環境は豪華とかけ離れているが、逆にそこは人情味があっていいと思うお客さんが多い。焼肉も焼餅も自分で焼きますから、おしゃぶりしながらお肉を焼く楽しい時間があっという間に過ぎてしまいます。

なす、きのこ、ピーマンなどタレに漬け込んだ野菜を加え、ずっと座って食べられます。ただ焼き方には要注意のことで、火加減や焼き時間に注意しないと焦げてしまうこともよくあります、常連さんもよく「最初の一皿のお肉は準備運動で焦げても仕方がない」と冗談半分で言います。でも慣れたら炭火のよさが分かり、香ばしく焼きあがったお肉は寒い冬にとって最高です。

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■ 広安門店

場所:北京市広安門駅西街11号

営業時間:10:00-22:30

■南緯路店

場所:北京市南緯路店31号院の西11-2号

営業時間:10:30-22:00

<文・孫錚>

北京旅游网翻译

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