中国詩勉強、王安石・「初夏即事」

2018-06-13

作者、王安石は北宋の政治家、詩人、文学者。現在の江西省撫州の人。今日紹介したように素晴らしい詩、散文も残していますが、新法を提唱し政治改革を断行しようとしたことが知られています。結局、先輩でもある蘇軾などからの反対に遭い政治改革はできませんでしたが、政敵である蘇軾をはじめとする新法反対者からも詩人としては、評価されていたようです。確かに、いい詩が残っています。今日紹介した詩も、とても印象的です。

タイトルの「初夏即事」の即事は、即興というような意味です。目の前にある初夏の景色を目に映るままに詩にしたということ。名詞を並べていくだけなのに、リズムがあって今頃の景色がくっきりと目に浮かびます。景色だけでなく、水が流れる音、木々の新緑の葉が擦れる音、麦や草の香りまで伝わります。私が子供の頃日本で、「よこはまたそがれ」という演歌が流行りました。この曲の歌詞も名詞を並べただけのものですが、ストーリーになっていて子供ながらに凄いなぁと思ったことを思い出しました。彎碕は曲がりくねった岸のこと、両陂の陂は堤や土手のことです。水が流れる両側に土手がある、つまり土手の間を水が流れているようです。濺濺は、流れる様子、日本語にすればさらさらです。

「中国国際放送局」より

中国国際放送局

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