中国北京市房山区にある北京原人の骨や遺物の発掘現場に建つ周口店遺跡博物館はこのほど、3Dスキャン、3D建築模型復元、小型無人機(ドローン)測定などの先進技術を利用し行われている周口店遺跡第1地点(猿人洞)保護建築工事が7月に完了する予定だと発表した。3700平方メートル以上にわたり設置される屋根が猿人洞を守る傘となる。
同遺跡は、中国で最初に世界遺産リストに登録された文化遺産の一つで、猿人洞には遺跡の中でも最も保存状態の良い層序と豊富な科学的情報が残されている。
屋根は鉄骨による単層ラチスシェル構造を採用し、遺跡そのものに対する影響を最小限に抑えた。上下2層の板825枚からなり、板の間には隙間があり、雨や雪、雹、日光などの猿人洞への影響をさえぎるだけでなく、風通しも良い。外面は緑の植物で覆い、周囲の環境との調和を図っている。
博物館の担当者によると、猿人洞の保護建築工事は2015年10月から正式に行われている。大量の先進テクノロジーを採用し、風洞、排水、採光の試験などを実施することで正確な施工と遺跡の保護が確保されている。工事では、保護工事技術モニタリングプロジェクトを同時に実施し、施工中の遺跡そのものの安全を確保するとともに、今後の遺跡保護作業に科学的根拠を提供するものとなっているという。
「新華網日本語版」より