吝さんは、かなりのケチだった。ある日、人に頼みごとがあり、家に呼んでご馳走したあとで、それを言い出すことにしたそうな。
そして吝さんは先ずは酒を飲んでくれと、水で薄めた酒を燗して出した。
これを飲んだ客は、舌鼓をうち言った。
「吝さんよ。あんたは腕がいいね。あんたの作る料理はきっとうまいに決まってるな」
「なんだい?まだ料理を出してないのに、どうしてそんなことがわかるんだい?」
これに客は、酒を指差しこう答えた。
「いやね。この酒の味のする透明の汁のうまさから、それがわかるのさ。うん、うまい!この汁は!」
「中国国際放送局」より