中国常用語・智能快递柜

2018-07-19

【智能快递柜】(zhìnéng kuàidì guì)

[名]スマート宅配ボックス.宅配ロッカー.

「智能」はスマート、「快递」は宅配、「柜」はそもそも棚、タンスの意味ですが、意味が拡張して、ここではロッカー、コンテナー、キャビネットの意味になります。従って、この「智能快递柜」はスマート宅配ボックス、スマート宅配ロッカーという意味になります。

このロッカーは、最近よく北京の街角で見かけられるようになっており、新しモノへの適応の速い地元の人々は早速利用し始めているようです。日本でも電車の駅に宅配ロッカーが設置されていることがありますが、似たようなノリですね。私たちの日常を明かすようですが、昼間に家にいない私たちの場合、宅配はいつもガードマンの詰所に受け取ってもらっていました。ですが、最近では、宅配業者の人が、私の不在時には直接この「智能快递柜」に入れていくようになっています。もちろん、申し合わせた上でガードマンの詰所の外に野ざらし、というケースもまだまだザラにあります。実際にどの手段に落ち着くかは「小区」によって全く違うのですが、より良いソリューションが出現する度に、言葉少なに乗り換えて行く、というのが現実のようです(最近ではJD.comが始めた車のトランクに入れていくサービスも出てきているようです)。色々な現象はあるものの、共働きが多い中国では、この「智能快递柜」は宅配業者や受取人の両方にとって革命的な存在と言えるものではないかと思います。宅配業者が荷物をロッカーにしまい、受け取る際には、スマホに送られてきた暗証番号を入力したり、QRコードをかざしたりすることで、ロッカーのドアが開くような仕組みになっています。そして最近では、「移动快递柜」、つまり、小型のスマート宅配ロッカーが三輪車に載せられているタイプのものまで見かけられるようになってきました。どこに駐輪するのかが気になって仕方ないのですが、ソリューションとしてはアリなのではないかと思います。

こうした新方式、便利なことは便利なのですが、実際に使うことを想像すると、えらく重いものを上の棚に入れられたりとか、ロッカー自体が開かないとか、移動可能なものは誰かが持っていかないかとか、色々な心配をしてしまいます。時には、受取人の許可なくちょっと離れた場所のロッカーに入れて行ってしまうケースもありそうで、逆に不便になることも考えられます。

ちなみに、この点については、中国では5月から「快递暂行条例」が施行されており、例えば許可を得ずに「智能快递柜」に宅配品を入れることをルール違反と定めています。それもあってか、状況も少しは良くなっていますが、根本的な問題はやはり宅配員の仕事の量が多すぎるという点にあるようで、どっちかが折れないといけない局面が存在しています。特に、地方からの出稼ぎ労働者が減ってからは、営業できる宅配業者も減ってしまい、いくつかの北京に輸送網を持つ会社に貨物が集中してしまっている現状があり、そこに勤める配達員の皆さんは毎日300件以上の荷物を配っていると言われています。朝から夜中まで配達に回り、その歩行距離はとんでもないものになるとか。特に夏などの階段の上り下りは大変ですし、商品によってはかなりの重さのものもありますから、その大変さは日本の比ではありません。

それぞれの都合にあったサービスや物流を実現するには、宅配の「最後の100メートル問題」を解決するシステムや技術などのイノベーションが必要です。このロッカーがその一助となることを祈らずにはいられません。

「中国国際放送局」より

中国国際放送局

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