中国常用語・社交货币

2018-07-23

【社交货币】(shèjiāo huòbì)

[名]ソーシャル・カレンシー.

直訳すると「社交通貨」となりますが、これはソーシャルエコノミーの概念の一つで「ソーシャル・カレンシー」という言葉の訳語です。この言葉はペンシルベニア大学ウォートン校のジョーナ・バーガー准教授が書いた『なぜあれは流行るのか』に登場して話題になったものです。バーガー准教授はその文章の中で、一つの物事が影響力を持ち、広く知れ渡るために必要な6つの原則の一つとしてソーシャル・カレンシーを挙げました。その概念が中国に導入され、「社交货币」と訳されることになったわけです。

さて、この「货币」ですが、本来通貨には流通、交換、価値の証明という3つの意味あいがあります。このような一般的な通貨は、衣食住など日常の生活に必要ですが、「社交货币」は、「人に自慢できるような価値のある情報をシェアすることによって得られる社会的価値」、となります。要はすべてのソーシャル活動(発言、リツイートやいいね)が個人のソーシャル価値を強化、或いは劣化させるものとして機能しているということなのですが、さらに言えば、「SNSでの発信内容を通して他人から得られる点数」のことで、ゲームでいう印象値、魅力値のようなイメージで考えるといいでしょう。

このSNS真っ盛りの時代では、自分を良く見せたいとか、人からよく見られたいとか、希少価値を付けたいとか、そういうポイントから考えて見る人の役立つ、すごいと思われる内容を発信することで、この「通貨」、ソーシャルカレンシーを稼ぐ意識を持つ必要が出てきているということです。

ちょっと前に「网络投票」の話をした時にも、「社交货币」のことに少し触れましたが、そういった投票をリツイートすると、必然的に「社交货币」の価値が下がることになります。お付き合いや家族の為にリツイートすることはよくあることですが、周りからの評価をキープするには、それを頻繁にやらない、或いは全くやらない方がいいということになります。

そう考えると、モーメンツやタイムラインなどにアップしたコメントや自摂り写真、ショートムービーなどは単なるシェアではなくなり、「社交货币」の価値をあげるために陳列する「商品」とも言える存在になるわけです。したがって、特定の記事につけたコメントやいいね、さらに誰のフォロワーなのかという点の全てが「社交货币」になることになりますからから、常に自分の「社交货币」の相場をしっかり管理して、つまらないことで価値を下げないような振る舞いをすることが必要になってきているという自覚が必要になります。

「中国国際放送局」より

中国国際放送局

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