中国の高速列車「復興号」、世界初の時速350キロ自動運転へ

2019-01-21

中国の新型高速列車「復興号」が再び異彩を放とうとしている。世界で初めて時速350キロ自動運転機能を実現することになった。科技日報が伝えた。

中国鉄路総公司の陸東福社長は2日、中国鉄路総公司の事業会議で、「時速300−350キロの高速鉄道の自動運転技術は現在世界で空白状態だが、当社は研究開発に取り組んでおり、同技術を京張高速鉄道で初めて応用する予定」と明らかにした。

◆ATO設備が運転士の代わりに

中国鉄道科学研究院への取材によると、現在の高速列車はいずれも中国列車運行制御システム(CTCS)に守られながら、運転士が運転している。

同研究院の専門家(以下「専門家」)は「高速列車の運転士は配車命令、前方の信号表示、線路状況などの状況に基づき、列車の発車、加速、減速、停車を自ら操作している。操作は運転士が行い、安全はATPが守る」と述べた。

ATPは列車の速度超過防止設備で、列車の運行速度をリアルタイムで監督する。列車運行の制限条件に基づき列車の制動システムを自動的にコントロールし、列車の速度超過を防止する。

「技術の発展に伴い、ATO(高速列車自動運転)設備が運転士の代わりになることがすでに現実になっている。地下鉄ではすでに多くのATOシステムが採用されている」。専門家によると、中国鉄路総公司も珠江デルタの莞恵、仏肇の2本の時速200キロ都市間鉄道でATOを使用している。営業速度が時速200キロの鉄道でATO設備が使用されたのはこれが世界初だという。

◆発車ボタンを押すだけ

ATOは大掛かりなシステムで、駅に設置される地上設備、列車内に設置される車載設備、これらの設備間で情報伝達を行う通信システムに分かれる。

専門家は「ATOの採用後、運転士は発車ボタンを押すだけで駅から自動的に発車させ、駅の間で自動的に運行させ、運行時間を計画に従い自動的に調整させ、駅で正確に停車させ、停車後に自動的にドアを開閉することができる」と話した。

専門家は特に、ATOのすべての運行がATPシステムの監督下で行われ、運行中の安全はATPが十分に保証すると強調した。

ATO設備が運転操作の一致性を保証するため、運転士の運転技術による差がなくなり、運行計画に従い正確に走行でき、輸送能力を効果的に高めることができる。

◆国産CTCS3+ATO列車制御システム、18万6397キロの厳しいテストに合格

時速80キロで、駅間距離が数キロの地下鉄と比べると、時速350キロの高速鉄道は営業速度がより速く、駅間距離も通常は数十キロある。

同研究院はCTCS3+ATO列車制御システムの開発において、高速鉄道の運行の特徴に基づき、スマート鉄道建設の需要を見据え、実用性とスマート化のレベルアップに取り組んだ。

中国鉄路総公司は2018年6月から9月にかけて、京瀋総合試験区間CTCS3+ATO列車制御システムテストを実施した。専門家は、「94日間にわたる運行距離が累計18万6397キロに及ぶテストにおいて、同研究院が開発した自動運転設備は安定的に運行し、列車を正確に制御し、すべてのテスト内容に無事合格した。まもなく高速鉄道路線で第1陣として初めて試験運行に投入される計画だ」と説明した。

人民網日本語版

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