端午節、中国ではどんな慣習があるか見てみよう

2021-06-10

端午節、日本では「端午の節句」と呼ばれ、中国では毎年の旧暦五月五日が端午節にあたります。古くから「竜船(ドラゴンボート)」競漕とちまきを食べることは中国の伝統的な端午節の2つの代表的な慣習であります。それ以外に、菖蒲(しょうぶ)やヨモギを吊るしたり、蒼術(ソウジュツ)や白芷(ビャクシ)を燻したり、雄黄酒を飲んだりすることなど、この日に欠かすことのできない慣習が多くあります。

日本でも、かつては平安時代の貴族の間で、端午の節句を迎える習慣があり、菖蒲やヨモギを軒に挿して邪気を払ったり、粽をたべたりしていたそうです。しかし、江戸時代以後は、ご存じのとおり男子の節句にかわり、日付も旧暦ではなく西暦の5月5日となりました。紙や布などで鯉の形を作る鯉のぼりや、男の子の成長を祝うのは、日本ならではの習慣です。

ちまきを食べる

ちまきは端午節の伝統的な食べ物であります。中国北部では、棗を入れた甘い粽がメインだが、南方の粽の種類はより豊富で、小豆や肉、ハム、卵の黄身餡などを使い、醤油・塩味をベースとしています。北方の粽の多くは四角形や三角形で、基本的に大きいです。南方の粽の形状は三角形、たいまつ型、円錐形、四角形など多様で、全体的に小さく繊細な作りとなっています。

竜船(ドラゴンボート)競漕

竜船競漕は端午節の主要な慣習であります。楚の国の人が屈原の入水自殺を惜しみ、大勢で船を出して救助に向ったのが起源だといわれています。先を争って追跡したが、洞庭湖まで行くと手がかりが全く消えてしまったということです。後に5月5日にはドラゴンボートを漕いで屈原を記念するようになりました。船体の竜が魚を追い払って、屈原の遺体を食べないようにします。レースの習慣は呉、越、楚の時代に盛んになりました。

雄黄酒を飲む

中国では端午節に「雄黄酒」を飲む風習があります。雄黄酒は普通、白酒や自家製の黄酒に微量の雄黄を加えたものです。お酒を飲める年になってない子供たちには彼らの額、耳鼻と手足の平に雄黄酒を塗ります。消毒と病から守り、虫よけの意味が込められています。

菖蒲(しょうぶ)やヨモギを吊るす

民間の言い伝えによると、五月は毒月、五日は毒日です。ショウブの葉は剣のような形をしていることから、民間の方士に「水剣」と呼ばれ、邪悪なものを断ち切ることができると言われています。端午節になると、門の前と軒でショウブを吊るしします。彼らはショウブを「小さいな人」や「瓢箪」などの形に切り込み、子供の胸元にぶら下げ、吉祥を祈ります。また、一部の人はショウブの根を使ってお酒を造り、それを飲んだら長生きできるなどの言い伝えもありました。

香囊を身に付ける

端午節に子供達が匂い袋を下げるのは、無病息災を祝うためという言い伝えがあるが、実際には装飾品だと言えます。匂い袋の中には朱砂や雄黄、香薬が入れられ、外の袋は絹で作られ、よい香りが漂います。様々な色の糸で結ばれた様々な形のものがあり、一繋がりにすると可愛らしいです。

腕に五色の糸を飾る

五色の布でトウガラシやトウモロコシなどを形作り、五色の糸で子どもの服のボタン穴に飾ります。こうした細かい飾りを作るのは難しいが、長白山風景区や周辺地域の朝鮮族居住地で購入することができます。

それ以外に、北京っ子は端午節に自分の独特な慣習もあります。

闘百草

端午節の日、北京の子供たちは「闘百草」というゲームをやります。闘百草のやり方は草の茎の筋を比べることです。他の草を「倒せる」ことができた「選手」は、みんなに認められ、その日の「百草の王」になります。闘百草のもう一つの遊び方は、摘んだ草花の種類の数と珍しさを競うことです。

天壇めぐり

北京では端午節の日に天壇を観光する習俗もあります。昔の北京っ子の間では端午節の日に、王家皇家園林で観光するが流行っています。その中でも天壇が最も人気で、ここが「邪悪なものを避けられる」と信じているため、観光客も多いです。他の皇家園林も人気が高いです。他に什刹海、金魚池なども端午の遊びスポットです。

五色の粽を身に付ける

五色のちまきは魔除け効果があるアイテムだと思われています。中のからは硬い紙で折られたもので、大きさは2センチ程が普通で、外に五色の糸が絡まれ、一続きにつなげられています。五色のちまき以外に、香囊をも身につけます。言い伝えによると、魔除けと病避けの効果があると言われていますが、実はただ袖を飾るアクセサリーです。

嫁に行った娘を実家に迎える

昔の北京では、端午節には「女儿節(娘の日)」という別名もあります。結婚した女性は端午節の日に実家へ帰ります。その時、腕にカラーのリボンを結び、胸元に赤い花をつける人妻たちが北京の街角の風景にもなります。

玫瑰餅を食べる

旧暦の一日に仏様やご先祖を祀ったお供えが下ろされ、一家全員のごちそうになります。お金持ちの家は「玫瑰餅」を備えます。その年、北京の西にある妙峰山で生産されたバラの花で作られた餅が一番の高級品だそうです。五月節で玫瑰餅を食べることはとても吉祥なことで、一般家庭は習俗に合わせて、自分でバラの餡が入った饅頭などを作ります。

文・北京旅行網

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