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多彩な京劇の舞台、文化的価値が高い世界

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 華やかな衣装に身を包んだ京劇役者たちが、にぎやかな銅鑼やシンバル、太鼓などのリズムに合わせて、かろやかに身をこなし、優雅な中国語の台詞を朗々と響かせたり歌を歌ったり舞ったり激しい立ち回りを演じたり…。本来の伝統京劇は、日本の能楽と同じく緞帳や幕は使わず、舞台装置も机と椅子くらいで、伴奏楽隊も旋律楽器・打楽器あわせて数名と小規模でしたが、時が経つにつれ、京劇は歌、セリフ、舞踊、立ち回りなどで物語を進める音楽劇になり、独自の文化的特徴を形成してきました。

 舞台装置

 京劇は原則として舞台装置などを最小限に抑え、役者の肉体と声と演技の力でストーリーを引っ張っていくことになっています。ですから、京劇の舞台は簡素で、基本は机1つと椅子2つです。ほかの小道具は役者が持つ鞭や扇、ハンカチ、旗などです。それぞれいろいろな意味を表すことができ、たとえば赤い鞭は赤い馬を、旗の動きが流れる水を表したり、ハンカチをぐるっと回して平たくすると皿の意味になったりします。観客は役者の体や小道具の動きから様々な場面を読み取り、想像力を働かせて鑑賞します。

 観客の想像力に委ねているからこそ、異次元の世界へ行ったり、険しい山から深い谷底まで瞬時に場面が転換したりなど、ストーリーが縦横無尽に展開することが可能です。役者と一緒に観客も集中して、想像力を使って舞台を完成させる…それこそが京劇鑑賞の醍醐味と言えるでしょう。

 役柄

 京劇の登場人物はキャラクターの演じる役割や性格などからおおまかに「生・旦・浄・丑」の4パターンに分けられます。役者は小さい頃から基本的訓練を重ねたのち、自分の条件に合ったひとつの行当を一生やっていきます。役者のメイク方法や衣装などでその役柄を見分けることもできます。

 「生」とは男性役を指します。「生」は年齢や身分などによって、「老生」「小生」「武生」とさらに分けられます。「老生」は中年以上の男性役で、舞台では必ず付けひげをし、地声で歌います。「小生」は若い男性役で、付けひげがなく、舞台姿は美しくきりっとしています。地声と裏声を混ぜて演じるのが特徴です。「小生」には「雉尾生」(武将)、「武小生」(英雄)、「扇子生」(貴公子)、「窮生」(貧乏書生)などの種類があります。「武生」は武将や侠客など立ち回りを主とし、動きの美しさと難しさが求められます。

 「旦」とは女性役を指し、正旦、花旦、武旦と老旦の4つの種類に分けられます。正旦は青衣ともいい、しとやかで逆境にある女性役です。花旦はおきゃんで天衣無縫な若い女性役、武旦は武芸に通じた女性役、老旦は老女の役で、化粧はしないです。「生」と同じように、歌うことや仕草が中心です。旦と呼ばれる女形は、芝居に欠かせない重要な存在であっただけでなく、観客が最も注目する役柄でもあり、劇団の評判や人気を左右する花形中の花形です。演劇専門雑誌『戯劇月刊』は1931年に女性役の人気投票を行った結果、梅蘭芳、程硯秋、筍慧生、尚小雲の4人が戯曲界の「四大名旦」に選ばれました。彼らは現在も舞台史に残る四大名旦として伝説的存在になっています。

 「浄」は敵役のことを指し、具体的には正浄、副浄、武浄に分けられます。正浄 (大花臉) は顔に黒色をベースに隈取った正義派の王侯や武将の役柄で唱を主とし、悲壮感を演じるものが多いです。正浄はさまざまな隈取をします。副浄 (架子花臉) は敵役や豪傑、悪役などの役柄で、隈取も正浄よりは軟調、せりふや動きを重んじ唱が少いです。武浄は立回りや見得を切る役柄でせりふや唱はほとんどないです。

 「丑」とは人を笑わせる道化役をさし、鼻や頬、目などを白く隈取って「小花臉」とも呼ばれています。せりふを主として人を笑わせる文丑と、立回りや軽業などの動きによって笑わせる武丑の2つに分けられています。文丑はさらに冠をつけて滑稽戯を演じる方巾 (ほうきん)丑と冠をつけない滑稽戯の小丑に分れます。たいていおどけている役柄が多いが、皆善人とは限らないです。

 楽器

 京劇の楽器類は大きく分けて、主に弦楽器、管楽器、打楽器とそのほかの楽器という4種類に分けられます。京劇音楽は「文場」と「武場」に分けられ、弦楽器と管楽器の旋律系楽器による演奏が「文場」と呼ばれるのに対して、打楽器による打撃音楽は「武場」と呼ばれます。

 弦楽器類として、京胡(ジンフー)、月琴(ユエチン)、京二胡(ジンアルフー)、三弦(サンシエン)、中阮(チョンルアン)、大阮(ダールアン)などが挙げられます。

 京胡は今から二百年前、京劇と一緒に地方から北京にやってきた楽器であり、京劇で最も重要な地位をしめる擦弦楽器(さつげんがっき)であります。弦楽器でありながら笛のように途切れない音を出すことができます。昔は、京劇の一流の名優は、自分だけの専属の琴師を有していました。

 月琴は京劇や京胡よりも古い歴史を持つ楽器で、京劇以外の伝統音楽でも広く使われています。京胡および歌唱者(俳優)の声が飴のように伸びるのに対して、月琴の音はピアノのようにポツポツきれます。月琴は基本的に一種類であるが、張る弦の数(糸巻きの数)、フレットの位置(半音までびっしりはめこむか、全音階だけにするか)、胴体内部に金属片やバネなどの共鳴材を入れるか否かなど、演奏者のコンセプトによって形態をいろいろ変えることができる。

 京二胡は京胡より一オクターブ低い、バイオリンのような音色であります。ただし京胡ほどの音量は出ないです。この楽器の歴史はあさく、名優・梅蘭芳の京劇改革期のとき、それまで高音域に偏していた京劇音楽を是正するために導入された楽器であります。

 三弦、すなわち沖縄の三線(さんしん)、日本の三味線のルーツにあたる楽器であります。月琴より音を間引いて弾けるので、ここぞと思うところでリズムを強調することができます。 中阮は西洋のギターのような、よく響く澄んだ低音を発します。中阮は中国各地の伝統音楽で広く使われていますが、京劇には比較的新しく採用された楽器です。大阮は中阮を更に大型化した、より低音の撥弦楽器です。

 管楽器類として、笛子(ディーズ)、鎖吶(スオナー)、海笛子(ハイディーズ)、笙(シェン)などが挙げられます。

 笛子は竹製の中国式フルートであります。本来、昆曲など京劇以外の地方劇で使われる楽器であるが、京劇でも演目によっては昆曲の旋律を使う場合などに使用されるようになりました。

 鎖吶は同様、昆曲の旋律を吹くときに使われています。また、合戦の場面、雁や馬の鳴き声などの描写に効果音的に使用されています。笙は中国の珍しい楽器で、京劇では昆曲の旋律を演奏するときに使用されています。

 打楽器といえば、最も重要なのは、檀板(タンバン)、単皮鼓(ダンピーグー)の二つで、併せて「鼓板」と呼ばれます。次に重要なのは金属製の打楽器群で、大鑼(ダールオ、大きなドラ)、鐃(ナオボー)、小鑼(シャオルオ、小さなドラ)などです。

 また、現代京劇では、中国在来の伝統楽器群と一緒に西洋の管弦楽を演奏に加えるようになりました。旧来の伝統楽器と電子機器を組み合わせることも、今では普通になっています。

 瞼譜

 瞼譜とは京劇など中国古典劇の化粧法で、俳優の顔に施す隈取りです。もと仮面劇に由来するもので、色には赤、白、黒、黄色、緑などがあり、豪傑役や道化役あるいは動物役が顔に施すものです。異なった彩色により、その役の性格を示します。

 京劇の臉譜は、18世紀末と19世紀初頭に京劇が形成された後、次第に形成されたものです。京劇臉譜は形成の過程において、多くの中国地方劇の劇種の臉譜(中国伝統劇における隈取)を取り入れて優劣をつけ、数代の名優や中国伝統劇芸術家の絶え間ない研究、改革を経て、現在の京劇臉譜を形成しました。いままで中国伝統劇の舞台で種類が最も多く、最も完全な臉譜体系であります。

文・北京旅行網

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