燕京八絶の花絲象嵌の製法

2021-10-15

花絲象嵌は伝統的な宮廷のハンドメイド技術であり、主に金銀などの材料を使用し、宝石や真珠、編み込みなどの工程を経て工芸品を作ります。花絲象嵌の製造方法は複雑で、大まかに言えば「掐(摘み)、填(埋め)、攢(集め)、焊(鋳掛け)、堆(積み上げ)、壘(重ね)、織(織り)、編(編み)」8つの手法に分かれ、巧みな技術、造型の優美さ、幾通りものバリエーションで伝統的な芸術の特徴を持っています。花絲象嵌製品は通常2種類に分けられます。一つは花絲、すなわち金銀を細い糸に引き伸ばし、堆壘、編み込みなどの技法を用いて作られた工芸品を作ったもの、もう一つは象篏、つまりは金銀を薄く叩き伸ばして器を作り、そこから図案を彫り込み、宝石や真珠を埋め込むものです。

花絲象嵌の歴史は古く、春秋時代にはすでに出現しており、明代には最高レベルに達しています。清朝以降、花絲象嵌は大きな発展を遂げ、逸品が絶えず作られ、国内外で称賛を浴びています。北京市と河北省大廠回族自治県の花花絲象嵌技法は特徴が顕著で、業界内で最も有名です。

北京の花絲象嵌は編み込みや重ねることで知られており、芸術性を高めるために、点翠技法、つまり金銀などの製品の上に鴗(カワセミ)の青緑色の羽を貼り付けています。古い北京の花絲象嵌の匠の多くは通州に集まっており、1958年に設立された北京花絲象嵌廠は北京の花絲象嵌工芸品を主に生産する企業で、製品の多くは輸出されています。1980年代末、工場の輸出数量は激減し、衰退していく局面を迎えました。2002年、北京花絲象嵌廠は破産宣告しました。現在、北京の花絲象嵌は後継者がおらず、多くの技法がすでに失われており、取り戻すことが急務となっています。

河北省大廠回族自治県の花絲象嵌製法は漢の時代にその手がかりが初めて現れています。明朝永楽年間に明の成祖は北京に遷都した際、西域の金銀細工師は一緒に北上し、大廠の回族が集まっている地域に移り住みました。彼らが持ち込んだのは伝統的なペルシャ図案とハンドメイドの技術であり、花絲象嵌技法を新たなレベルに引き上げました。明朝清朝二世代に渡り、大廠の花絲象嵌は急速に発展し、製品は朝廷への貢物となりました。大廠の花絲象嵌技法は複雑で、一連の制作過程にはデザイン、仕込み、型作り、敷き写し、線引き、糸作り、糸の貼り付け、糸のはんだ付け、強酸活性、洗い流し、玉石の選定、象嵌の貼り付け、組み合わせ、金メッキ、銀メッキなどいくつもの工程があります。製品は多様な形状、豊富な図案、精巧な作りで、非常に高い芸術的価値を持っています。大廠の花絲象嵌の製法は以前父から子供へ受け継がれたもので、その後に師匠から弟子へと受け継がれるようになりました。亡くなった蒙鏨石鑲大師馬作文が弟子と一緒に制作した『布達拉宮(ポタラ宮)』や『十二世班禅金印』などの花絲象嵌工芸品は一時期名声が遠くまで届いていました。

見学体験:北京燕京八絶芸術館

電話: 8610-68611900

地下鉄でのアクセス:地下鉄1号線にて蘋果園駅まで行き、B/C出口からバス527路にて模式口東里バス停にて下車、南に向かって約50m歩き、信号(模式口大街)を右折し西に200mほど向かった北側にあります。(北京市第九中学高等中学部北門の向かい)

住所:北京市石景山区模式口大街20号

文・北京旅行網

モデルコース
人気おすすめ