
北京大運河博物館は、北京都市副都心の「都市グリーンハート」北西部に位置し、延べ床面積約9.97万平方メートル。共有ホール、展示棟(本館)、水辺の散策路の三つで構成されています。博物館の建築デザインコンセプトは、古代運河の景観に描かれる「船」「帆」「水」の三要素に由来し、運河をテーマに歴史文化を建築に融合させています。共有ホールの屋根形状は「船」を、展示棟(本館)の屋根形状は「帆」をイメージ。両建築の間に位置するリバーサイドストリートは、展示棟(本館)のファサードにある路地の交差点、日除け棚、門楼などの要素と相まって、運河の船着場を思わせる景観を創出しています。

空間と建築形態においては、共有ホール北側が芝生のスロープと自然につながり、展示棟(本館)南側が都市グリーンハート森林公園へと自然に移行。屋内と屋外が調和し、来館者が自然を感じられる空間を実現しています。文化財保護のため、展示棟(本館)地下1階の下部には1.8万平方メートルの「免震層」を設置。これは現在中国で建設済みの免震博物館の中で、免震区域の投影面積が最大規模です。共有ホール、展示棟(本館)、リバーサイドストリートは、それぞれ独立性を保ちつつ相互に連携。単一構造の博物館建築よりも空間が開放的に設計されており、より柔軟な博物館運営を可能とし、現代の博物館が求める多様なサービスニーズに応えます。




