第二部:青銅の頂点
殷商は中国青銅鋳造技術が最初の絶頂期を迎えた時代である。
したがって、青銅文化は商文化の高度な発展を象徴する重要指標であり、生産・生活・社会組織・精神信仰などあらゆる層に影響を及ぼした。
青銅器は当時の政治権力や文化的特質と密接に結びつき、凝固した重厚な文明の媒体となった。
発達した金属鋳造業を基盤に、労働分業が明確化し、各々が職務を全うする専門化が進み、工芸美術が繁栄する局面を形成:
陶磁業は原始磁器や刻文白陶を生み出し、玉石業は精巧を極めて多様な作品を並べ、骨角業は彫刻文様で華麗さを加えた。
竹木業・皮革業・麻糸業など他の産業は材質の保存困難さから全容は不明だが、わずかな残存物からその一端を十分に窺い知ることができる。




