中国の北京では毎年10月の天安門広場を飾る大きな花かごは国慶節の目玉です。花かごのデザインは人の目を楽しませています。
1986年、天安門広場に国慶節を祝う立体花壇が初めて置かれてから38年がたちました。当初は真ん中に噴水を置き、四隅に四つの花壇を組み合わせるデザインでした。天安門広場のレイアウトの変化に伴い、2012年からは大きな花かごの形が定着し、現在も使われています。
天安門花壇の総設計師を務める藍海浪氏は、国慶節の花かごの制作過程について「どのデザイン案の確立にも半年以上かかる」として、「それぞれの人物の造形、人物の数、造形の高さ、透かし彫りかどうか、色彩など、様々なことを考える必要があり、どのステップも大変であったと語りました。
花壇は中国の発展の新しいハイライトをその年のデザインのテーマとしています。藍海浪氏は、「今年は科学技術の要素やガーデンシティの建設などを際立たせ、人々に好まれる、若いイメージを表現した」と説明しています。
今年の野菜と果物からなる花かごは底部の直径45メートル、頂部の高さ18メートルで、かごには梅、蘭、竹、菊、牡丹、バラ、ヒマワリ、カーネーションなどに囲まれて、三種類の野菜と三種類の果物が入っています。三種類の野菜はトウガラシ、カボチャ、ヒョウタンで、三種類の果物はリンゴ、モモ、ザクロです。これらの野菜と果物にはいずれも意味があり、トウガラシは活気を、カボチャは豊作を、ヒョウタンは健康と長寿をそれぞれ意味します。リンゴは平安を、モモは幸福と吉祥を、ザクロは団結と和睦をそれぞれ象徴しています。(ヒガシ 謙)