中国医学等の古典的な理論に基づく鍼灸(しんきゅう)とは、身体に鍼や灸を用いた刺激を与えることで、多様な疾病への治療的な介入や健康増進を目的とする民間療法であります。
鍼もしくは鍼治療(はりちりょう)とは、身体の特定の点を刺激するために専用の鍼を生体に刺入または接触する治療法で、今日では世界中で実践されるようになっています。中国伝統医学によれば、健康な体はある重要なエネルギーの循環に決まり、それは体内の「気」というものです。こういうエネルギーが体中の脈絡に蓄えられ、ツボはその脈絡上にあります。鍼でよく使われる1080箇所のツボは、砭石治療法の40万余りの治療点から選ばれ、鍼灸効果が発揮できる点です。臓器の機能が過剰になったり低下したりすると、エネルギーの循環に異常が生じます。経絡に滞りが生じると、それを解消する必要があります。そのため、鍼治療を行い、経絡の循環を正常に戻すことができます。

鍼には、疏通経絡、調和陰陽、扶正袪邪という三大治療作用があると言われています。疏通経絡は経絡にある滞りを解消し、正常な生理機能に発揮させることであり、微鍼の最も基本的で直接的な治療効果でもあります。調和陰陽は、陰陽のバランスが崩れている状態から均衡のとれた状態に変わり、微鍼治療の最終的な目的であります。扶正袪邪は、正気を補う扶正が治則となり、病邪を払うことを指します。

鍼は、新石器時代に生まれた治療法として、よくお灸と組み合わせて用いられます。お灸(灸療法)は、肩や腰など痛みの出ている筋肉や、内臓に関連するツボに熱刺激を与えることで血流を良くし、痛みを緩和させたり、内臓の働きを高める効果もありますが、冷えに効果的なツボに施すことにより、熱刺激がツボの流れ(経絡)に沿って身体全体を温める効果もあります。
お灸は、中国医学の重要な一部であり、伝統医学の中でも最も古い治療法であります。それに、この治療法は百種類以上の疾患に良い効果があり、歴史上にも広く臨床診断に利用されていました。

お灸は火の応用から始まっており、応用・実践で次第に発展してきました。お灸がいつ、誰が発明されたのかは謎になりました。しかし、春秋戦国時代には、すでにお灸を使った治療が盛んに行われていたことは間違いなく、お灸の登場がもっと早かったはずでしょう。昔、中国最古古典医学書『黄帝内経』の中に、お灸を使われたことが始めて記されたと考えられていました。しかし、考古学的な発見とともに、お灸に対する認識は見直されつつあります。
1973年に中国湖南省長沙の馬王堆で発掘された三号漢墓は、歴史の定説を覆す考古学的大発見となります。数多くの出土した文物の中には、経絡灸法について記した帛書(薄絹に書かれた文書)が三冊発見され、『内経』以前の貴重な医学書であり、中国医学におけるお灸の理解を大幅に高めたものです。三冊の断片的な記録を通して、古代の先人たちが火で病気を治した起源、方法、応用を今でも垣間見ることができます。

過去の鍼灸に関する著作では、お灸と並べて論じられることが多かったが、お灸は人体にやけどを起こしやすいため、次第に散逸してしまいました。近年、中国医学の養生文化の再興により、特異的効果を持つお灸治療法が再び注目されています。特に現代医学的お灸療法の登場は、伝統的なお灸療法の燃やす方法や環境汚染、取り扱いの不便、火傷しやすいなどの難題を本当に解決し、奥深い中国の灸炳治療法を普及させることを可能にしました。



