旧正月を締めくくる一大イベント「元宵節」の由来

2022-02-15

旧暦の1月15日(今年は2月15日にあたる)は中国の伝統的な祝日・元宵節(別名「上元節」)を迎えます。元宵節は春節(旧正月、今年は2月8日)明けに最初に迎える重要な祝日であり、中国人だけでなく漢字文化圏に住む海外華人にとっても大事な伝統的祝日の一つです。「元月」は旧暦1月を指し、昔の人は夜のことを「宵」と呼んだことから、1年で最初の月の「満月」の夜にあたる元月15日が、「元宵節」と呼ばれるようになりました。

「元宵節」の形成には長い道のりがあり、一般的には、元宵節の由来は2千年前の漢代にまでさかのぼることができるとされています。

伝説によると、漢朝の実権を掌握した呂后が崩御すると国内では諸呂の乱が発生し、これを平定した周勃や陳平など漢朝建国の功労者により文帝(劉桓)が皇帝に推戴されました。反乱平定ができた日が旧正月15日であったことより、それ以降皇帝は毎年この日に際して、律令の刑罰を免除し、民衆と共に祝賀したことになっていました。『史記』楽書には漢武帝の時代には、元宵節には太一神の祭祀が行われていたと記載され、夜通し提灯が灯されていたと記載されています。

また、元宵節は明かりを灯して福を祈るという中国の昔の習慣に根ざしているという説もあります。後漢になると、仏教の導入も、元宵節の民俗文化の形成を促進する上で重要な役割を果たしました。インドでは旧正月15日に仏舎利を祭ることで、また仏教では灯明が仏具に用いられていたため、皇帝が旧正月15日に宮殿と寺院で「明かりを灯して仏を拝む」と命じ、元宵節には各寺院で灯明を灯し法会を開くようになりました。

そして、元宵節が道教の「三元説」に由来しているという伝説もあります。道教における三元神、すなわち上元天官、中元地官、下元水官をそれぞれ正月15日、7月15日、10月15日に割り当て、それぞれ上元節、中元節、下元節として祭祀が行われ、そのため元宵節は上元節とも称されます。

文・北京旅行網

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