北京冬季五輪の「中国デザイン」を見てみよう!

2022-01-27

北京冬季五輪の開催まで数日ほどとなり、北京ではオリンピックムードが漂っています。ここでは「衣食住行(服装、食事、宿泊、交通)」の四つの面から、今大会の「中国デザイン」を一緒に見てみましょう。

●服装:中国らしい要素が満載

今大会の表彰式用の衣装には三つのデザインがあります。

「瑞雪祥雲(吉兆を示す雪と雲)」のデザインは、伝統的な吉祥模様である「雪」と「雲」をテーマに、澄みわたる空のような青と朝焼けのような赤を使い、伝統的な「交領右衽(左右の衽<おくみ>を交叉させ、右の衽を上前にする)」と「対襟旋襖(襟が前で重なる合わせ仕立ての短い上着)」の仕様を現代的なファッションと融合させ、伝統絵画における「金碧山水(青緑山水画で、山、岩石などの描線の内側に、装飾的な金泥の線を加えたもの)」の技法を刺しゅうで再現しました。

「鴻運山水」のデザインは、名画『千里江山図』をモチーフに、伝統的な山水画を北京冬季五輪のコアグラフィックスである山のシルエットと組み合わせ、古典と現代を融合させました。

北宋の画家・王希孟が描いた『千里江山図』は、宋の時代の青緑山水の大傑作です。「青緑法」という伝統技法を受け継ぎ、扁青(青藍色の鉱物質の絵の具)と石緑(クジャク石で作った緑色の絵の具)を顔料として使い、際立った配色を特徴としました。画風は極めて精緻で、離れて鑑賞すれば青緑山水の色鮮やかさに目を奪われ、細部を見れば生き生きと描かれた老漁夫と農民に感服させられます。

唐代の織物から着想を得た「唐花飛雪」シリーズのデザインは、宝相華の文様と雪の結晶の模様を洗練させ、北京冬季五輪のコアグラフィックスにある光の束と組み合わせました。漢と唐の風情を感じさせると同時に、時代の精神をも内包し、オープンな気持ちで世界各国からの参加を歓迎する思いが込められています。

また、中国スポーツ代表団の表彰式用の衣装は、伝統文化の趣きや漢字の「中」をイメージし、小さな立ち襟や一字ボタンなど、中国らしい要素を取り入れています。中心軸の赤いラインは、世界中のパートナーたちが中国に集まり、手を取り合って「共に未来へ」進むという主催側の願いを表しています。

大会のさまざまな場面で活躍するスタッフたちの制服も、非常に洗練されたデザインをしています。

落ち着いた墨色と朝焼けのような赤は、古代中国において天地の祭祀を行う儀式の衣装の色であり、最も貴い色とされました。

技術スタッフの制服のメインカラーは「万里の長城の灰色」で、客観性・公平性を象徴しています。

また、ボランティアの制服はよりはつらつとした色合いとなっています。澄みきった空のような青は、中国の伝統的な陶磁器の中でも特に貴重なものとされる霽藍釉の色であります。吉兆を示す雪のような白は北京冬季五輪の開催時期、つまり春節にふさわしいです。

これらの服装を通じ、「中国デザイン」を世界に披露したと言えるでしょう。

●食事:世界の料理と北京の特色

今大会の食事では、678種類という多彩なメニューがあり、中国国内外の料理を提供します。その中から、北京の二つの料理を紹介しましょう。

木須肉は、以前は「木犀肉」と呼ばれ、スライスした豚肉を卵やきくらげなどと一緒に炒める中国北部の家庭料理であります。炒めて細かくなった黄色い卵がモクセイの花に似ていることから「木犀肉」という名前が生まれ、次第に音が変化して「木須肉」と呼ばれるようになりました。

また、「驢打滾」も中国北部の地元に根ざしたおやつです。中にあんこを包み、外側にきなこをまぶしたもので、おいしそうな匂いがこの上なく食欲を誘います。名前の由来は外側のきなこが、郊外でロバが転がった際に舞い上がる黄土に似ていることから、「驢打滾(ロバが転がる)」と呼ばれるようになりました。

●宿泊:細部まで徹底したバリアフリー施設

オリンピック選手村は世界中から集まる選手やコーチ、随行スタッフが大会開催中に泊まる場所であり、宿泊、飲食、娯楽、余暇などのサービスを提供します。

今回の北京冬季オリンピックは、北京、延慶、張家口の3つのゾーンで行われ、それぞれ選手村が設けられています。

北京ゾーンの選手村は、北京オリンピック公園のコアエリアの南部に位置し、現在20棟のマンション、一つのオフィスエリアおよび一つのプラザエリアで構成されています。

ここのマンションは、あらゆる面で人に優しくバリアフリーな設計がなされています。全室床暖房で、セントラルエアコンとフレッシュエアシステムも完備しています。

客室内のバリアフリートイレは、車椅子が自由に出入りできる幅のスライド式ドアを採用し、洗面台、座便器、浴槽の蛇口の横には手すりが設けられています。

●交通:便利で環境にやさしい

今大会の三つの競技ゾーンをつなぐため、1月21日から3月16日まで、北京冬季五輪列車が北京-張家口高速道路を走る予定です。

特に注目すべきは、冬季五輪列車には、5Gで高解像度のライブ中継が可能な多機能車両があり、一部の車両にはスキー用品の収納ロッカーや車椅子置き場、バリアフリートイレなども備え付けられており、オリンピックにうってつけと言えます。

また、環境に優しく、乗り心地が良く、寒冷地でも走行可能な水素燃料電池自動車も、今回の冬季五輪の目玉の一つです。

北京週報日本語版

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