秋から冬にかけての美味といえば、ホクホクの糖炒栗子が挙げられます。糖炒栗子(砂糖炒め栗)とは栗を炒めた甘い軽食のことです。山に囲まれた北京では栗がよく取れることから、北京市内では多くの場所で目にすることができます。

ある商店は大きな鍋を支えて、栗を絶えず炒めて、その中にシロップを入れて、鍋の中から漂ってくる味は甘くて香ばしいです。毎年屋台で栗を買う人がとても多いです。寒いですが、楽しいです。

日本では「天津甘栗」がよく知られていますが、北京では、甘栗は、「炒栗子」（中国語の発音はチャオ・リ・ズ）と呼ばれていて、特に現在がちょうど美味しい季節です。正真正銘、本場の甘栗をぜひ試してみてください。

糖炒栗子は北京の代表的なグルメで、その歴史と言えば昔の北京城の城壁よりも長いです。北京は栗の名産地であり、春秋戦国時代にすでに有名になりました。中国の戦国時代末期、秦の呂不韋が食客を集めて共同編纂させた『呂氏春秋』では、「美しい果物が3つあり、冀山の栗がそのうちの一つです」と記載されています。いわゆる「冀山」は今日の燕山山脈を指します。

考古学的な調査結果から、中国の南部では北京よりも早くから栗が栽培され、食べられていたようです。しかし、遅くとも戦国時代後期には、北京の栗が有名になりました。

漢の時代、北京の栗がより有名になりました。『史記・貨殖列伝』によると、多くの人々が栗を育てることによってお金を稼いだということです。

昔では、栗は飢饉を防ぐために一般的に焙煎または煮ることで調理されていました。 唐の時代は長安が首都でしたが、人口が急増したので、唐の後期に飢饉が多発しました。毎年秋になると、多くの人が栗を探しに行きます。これは徐々に伝統的な風習の一つへと発展してきました。

宋の時代、新しく開発された南の農業エリアと北の伝統的な農業地帯を結ぶことで、飢饉の心配はありません。そのため、栗の食べ方も大きく変わり、糖炒栗子も登場しました。

実は栗は世界中で生産されていますが、なぜ北京栗は世界中で有名なのですか？それはヨーロッパとアメリカの栗の種は植物ウイルスの影響を強く受けていますが、中国の栗の種は自然にウイルスに耐性があるからです。また、北京の山岳地帯は栗の栽培に適しており、砂糖炒めという作り方も北京の栗の甘さを強調しています。さらに、栗にはさまざまな栄養素が含まれており、腎臓に栄養を与えるなどの機能があります。