京劇の女性役「旦」の名家、史上の「四大名旦」

2021-12-14

1920年代、京劇「四大名旦」(女形の最も得意な四人)の名声は中国各地に伝わりました。これで、女形の地位はますます重要になり、京劇の発展史上の重要な変化の一つとなりました。京劇の「四大名旦」は京劇の女形の四つの芸術流派の創始者である梅蘭芳、程硯秋、尚小云、荀慧生を指しています。彼らの優れた芸術造詣は人々に強いインパクトを残し、高い評価を博します。

京劇名門出身の梅蘭芳(1894-1961)は演技が上を行き、声がまろやかで、女形の扮装が美しく、封建社会の上層部の女性の容姿や姿態を描写するのが得意です。代表的な演目は『貴妃酔』『天女散花』『宇宙前線』『打漁殺家』などがあり、前後にして100人余りの学生を育成、教授しました。梅蘭芳の芸風は京劇女形の演技芸術の集大成であり、青衣、花旦、刀馬旦の演技の特徴を融合させ、独自の演技形式と唱腔——「梅派」を確立しました。梅蘭芳九番目の子である梅葆玖は、梅派を受け継ぐ第一人者です。

梅蘭芳は10歳に舞台に上がり、演出を始めました。1911年に北京の各界で行われた京劇俳優をランキングするイベントで、梅蘭芳は3位に選ばれました。1913年に彼は初めて上海に行って公演し、四馬路大新路口丹桂第一台(劇場の名前)で『彩楼配』『玉堂春』『穆柯寨』などの芝居を演じたことで、江南地域で一世を風靡しました。

1915年、梅蘭芳は多くの新しい演目を上演し、京劇の節回し、セリフ、舞踊、音楽、服装に独自の芸術革新を行い、梅派の大家と呼ばれました。

1918年、梅蘭芳は上海に移住し、天蟾舞台という劇場で何度も公演しました。この時期は梅蘭芳の演劇芸術の絶頂期でした。梅蘭芳は青衣、花旦、刀馬旦の演技方式を融合し、まろやかで流麗な唱腔を創造し、独特の梅派を形成しました。

1919年から1935年までの間、梅蘭芳は何度も海外公演を行い、西洋人の中国戯曲に対する偏見を取り除き、中国京劇の海外への伝播に貢献し、東西の文化交流を促進しました。それによって、中国京劇という東方芸術の宝物が世界の演劇舞台で輝くようになりました。

抗日戦争の時、梅蘭芳は日本の公演要求を拒否し、貴重な民族の節操を表しました。抗日戦争勝利後、梅蘭芳は上海で復帰し、よく昆曲を演じました。1948年にはカラー映画『生死恨』を撮影し、これも中国の初のカラー戯曲映画となりました。

程硯秋(1904~1958)は、幼少から演劇を学び、梅蘭芳に師事しました。程氏は演技芸術で大胆に革新を行い、音韻を重んじ、四声を重視し、「声、情、美、永」の高度的な結合に取り込み、または自分の声の特徴によって、静かに婉曲で、起伏とリズム的な変化に富む唱腔を作り、「程派」という独特な芸術風格を形成しました。程硯秋は悲劇を演じるのが得意で、『鴛鴦塚』『荒山泪』『青霜剣』『英台抗婚』『竇娥冤罪』などの芝居を創作し、演じたことがあり、その多くは封建社会の婦人の悲惨な運命を描きました。

晩年の程硯秋は教学と舞台芸術の経験を総括する仕事に力を注ぎました。程氏の取った卓越した成果は、京劇の芸術の100年来達するピークの1つで、京劇の女形、または京劇と戯曲の発展に深遠で重大な影響を与えました。

尚小云(1900—1976)は、幼い頃から演技専門のクラス入りました。尚氏は京劇の修養が高く、声が広くて明るく、雄勁な唱腔で「尚派」と呼ばれます。代表作に『二進宮』、『塔を祭る』、『昭君出塞』、『梁紅玉』などがあり、数多くの女性の英雄、女侠と烈婦キャラクターを作り出しました。

荀慧生(1900-1968)は、小さい頃は河北の梆子班で芸を学び、十九歳の時京劇に転向しました。荀氏は演技力が高く、梆子戯の女形の演技方式の特長を取り入れ、京劇の女形の演技に生かし、「荀派」と呼ばれる独特な芸風を確立しました。荀慧生は無邪気で、活発で、優しい女性の役柄が得意で、「紅娘」「金玉奴」「紅楼二尤」などの演劇の中の女性役柄は非常に有名です。

以上の四名の女形名家を比べてみると、梅蘭芳は演技が勢いに富み、歌声が練れて力強いなどの特長で頭抜け、『覇王別姫』の虞姫、『貴妃酔酒』の楊玉環、『鳳還巣』の程雪娥などの美しいキャラクターを作りました。尚小云の演技は明快で明るく、綺麗で柔らかいことを特徴とし、『漢明妃』の昭君、『福寿鏡』の胡氏などの芸術のイメージを創造しました。演技力の高さを示しただけでなく、すべてのキャラクターには革新を行ったところがあり、人々に新しい体験を与えました。程硯秋は声変わりしてから、声質に制限がるので、節回しで別のアプローチを探り、ついに声低く婉曲で、綺麗で華美な「程腔」を確立しました。程氏は『三打掌』『罵殿』『竇娥冤罪』などの芝居を演じ、女形の歌声の節回しに新しい道を開きました。荀慧生の演技は、歌い、セリフ、武術などの面ですべて細かく考案し、人物の表情や態度が人に強いインパクトを与えます。荀氏が作品の『杜十娘』『紅娘』『大英傑烈』の中のキャラクターはすべてそれぞれの自分の個性と特徴があり、生き生きとしています。

梅蘭芳、荀慧生、程硯秋、尚小云の四人が1920年代から京劇界で頭角を現し、それぞれのスタイルと特色、それぞれの代表演目で、四大流派を形成しました。また、「老生が主役」というしきたりを変え、旦を主役にする新しい局面を打開し、京劇の絶頂期を作りました。

北京旅游网翻译

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