北京の無形文化財:京作硬木家具

2021-11-28

中国の伝統的な家具の中でも明式の家具は最も有名で、中国古代家具史に輝かしい成果を残しただけでなく、伝統的な家具の手本とされ、世界の家具史においても重要な地位を占めています。明式家具は清代康熙時代以後、イギリス・フランスなどに伝わり、18世紀のヨーロッパ家具に大きな影響を与えました。

明式家具は宋元家具の伝統を基礎に、材料、加工技術、造形設計、構造などの面で大きな革新を行いました。清代のいくつかの家具は依然として明代の家具の風格と技術を踏襲し、「明式家具」とも呼ばれています。中国の既存の明式家具は蘇州、北京、広州を主な産地とし、明代家具の優れた伝統を受け継ぎ、蘇式、京式、広式の三つの体系を形成しています。制作には紫檀、花梨、紅木、黒檀、鉄力木、ウエンジなどの硬い材質の、木目が緻密な堅木が使われています。木目、材質と光沢を十分に利用し、構造がシンプルながら上品で、煩雑な装飾がなく様々な用途と人体的需要に合わせられるよう努力しています。最も称賛すべきところは、明式の家具は全て榫卯構造を採用して、各種の榫卯を巧みに組み合わせ、釘も接着剤も使用していないことです。作られた家具は構造が精密かつ堅固で丈夫であり、世界各国の同業の専門家からも絶賛されています。白銅、紫銅、純度の高い金で作られた家具の金具、例えば家具の角に付ける金具、蝶番、家具脚のカバー金具など同様に精巧で、柔らかい色合いは、家具とマッチし、互いに補完しあっています。

明式家具の種類は非常に多く、主にイス類、机類、寝具類、棚もの類、架物類、屏風類の六種類があります。椅子、腰掛け、切り株等はイス類に属し、香台、花台、テーブル、机などは机類に属し、ベッド、寝台などは寝具類に属し、小箱、箱、棚、戸棚などは棚もの種類に属し、面盆台、鏡棚、掛け台などは架物類に属し、衝立、折りたたみ屏風などは屏風類に属します。

明式家具は中国、ひいては世界の家具業にとって至宝であり、国内外の家具発展史、中外文化交流史、社会生活史、民俗学などの多方面の研究価値があります。現在、硬木の原料が不足しており、年齢を重ねた従業員の多く、若い職人は技術的に劣るなどなどの理由から、明式家具の製作に問題が出ています。この他にも偽造の赤木を使用した家具が市場に氾濫し、正統な家具の生産にある程度の影響を及ぼしています。目下ハイレベルな後継者を急速に育成し効果的に伝承しこの貴重な伝統技術を合理的に発展させる必要があります。

京作硬木家具の製法は明清の宮廷家具の製作の中で形成して行ったもので、北京で生まれて今なお三、四百年の歴史があり、「蘇作」(蘇州)、「広作」(広州)と並び中国の硬木家具の3大流派と称されます。

京作硬木家具は北方地区の乾燥した気候と非常にマッチしており、装飾効果を重視し、重厚な造型、膨大な形と構造を追及することで雍容大気、煌びやかで豪華な京作の風格を形成しました。京作硬木家具の技術は清代康乾期に最高峰に達し、嘉道以後次第に民間へ流れていきました。中華人民共和国成立後、国の積極的な救助、保護と支援政策を得て、京作硬木家具の製造技術をある程度回復と発展を得ることができました。

京作硬木家具の製作技術は実用性と芸術性が一体となり、設計、木作、彫刻、ワックスがけなどの多種類の製法を総合的に駆使しています。貴重な硬木材料と科学的で合理的な榫卯構造を使用し、荘重で典雅な造型、美しいな彫刻を結合させ、高貴で高尚な芸術風格を形成し、宮廷芸術と民間芸術の完璧な融合を実現させ、芸術と学術研究の価値を備えています。

北京旅游网翻译

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