北京には「九壇八廟」という言い方があります。それは紫禁城を取り囲むように九つの壇と八つの廟のことを指します。いずれも明・清の時代、皇帝が祭典を行われていた場所です。「九壇」とは天壇、祈谷壇、地壇、日壇、月壇、社稷壇、先農壇、太歳壇、先蚕壇という9つの祭祀建造物のことです。「八廟」とは太廟、奉先殿、伝心殿、寿皇殿、雍和宮、堂子、文廟と歴代帝王廟のことです。 今回は「八廟」の一つ、社稷壇を紹介しましょう!
天安門広場の西側にある中山公園に位置している社稷壇は、太廟と「左に祖先、右に社稷」という構えを形成しており、明と清の皇帝が土地神や五穀神を祭る場所でした。
メイン建築は社稷壇と拝殿及び付属の戟門、神庫(祭器や供え物を保存する倉庫)、神厨(供え物を調理する台所)、宰牲亭(神への供え物である家畜をしめる場所)などです。
全国各地から奉げられた五色の土は皇室社稷壇の東、南、中、西、北の五つの方角によって並べられ、古代の君主のこの上ない権力を示していました。また、五色の土は全国各地から採られたもので、中国が広々とした土地や豊かな資源に恵まれるという意味合いが込められています。