燕京八絶の彫漆技法

2021-10-12

北京の彫漆技法は天然の漆を型に一定の厚さを塗り、刃物で積み重ねられた平面の漆の型の上に花紋を彫刻する技法のことです。彫漆製品の造型は古めかしく、こだわりのある紋様、光沢のある色合い、優雅な形状を有し、防湿、抗熱、耐酸/アルカリ性、変形のなさ、変質のなさの特徴があります。まさしく中国の工芸美術家の卓越した技巧と叡智を表したものであり、中華民族の伝統工芸の宝物です。

彫漆技法は唐の時代に始まり、北京の特殊な政治、経済及び文化背景から、元・明・清三代の発展を経て最終的に北京に定着しました。北京の彫漆技法は数百年の発展の過程の中で華夏南北が融合した彫漆技法の大成で、中国髹漆(漆器)の代表格の一つとなっています。光緒30年(西暦1904年)、芸術家の簫楽安及び李茂隆が北京で近現代最初の民間の彫漆工房「継古齋」を開設しました。1949年以降、北京は分散した民間の継古齋彫漆継承者を召集して北京漆彫生産組合を設立し、1958年に北京漆彫工場となり、北京の彫漆技術の伝承と発展の中心的な場所になりました。

北京の彫漆工芸製品は種類が煩雑かつ題材も豊富で、デザインと意匠は彫刻、絵画、技術を組み合わせた、荘厳で優美な芸術性を持っています。現代社会において、人々の美的意識を高め、生活を美化するためのかけがえのない役割を持っています。北京の彫漆工芸は中国の長い歴史を持つ漆絵文化の伝統を反映しており、中国の伝統工芸品の研究に欠かせないものになっています。

1990年代に入ると、市場の転換や生産周期の長さ、投資の大きさ、管理体制の変化などにより、彫漆業界は萎縮し始めました。北京漆彫工場は存亡の危機に見舞われ、本物の手製の彫漆製品はますます少なくなり、彫漆業界の技術者も高齢化しており、若い人の後継者がいないという残酷な現実に面しています。現在の状況から考えると、数百年続いている北京の彫漆技法も失われようとしています。

見学体験:北京麒宝閣

電話:13611364098

地下鉄でのアクセス:地下鉄5号線 天壇東門駅下車、東南出口

住所:北京市東城区龍潭湖公園東門内

文・北京旅行網

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