今日は二十四節気の『谷雨・穀雨』

2021-04-20

穀雨(中国語では谷雨という)は、清明の次の節気であり、春の最後の節気です。その日付は通常旧暦3月内で、ちょうど田畑の準備が整い、それに合わせて春の雨の降るころです。穀雨とは、穀物の成長を助ける雨のことです。

穀雨の節気が訪れるにつれ、基本的に寒い天気が過ぎ、雨量が増々多くなり、農作物の生長に利がある絶好な時期が訪れたことを意味しています。それでは、中国の穀雨の習俗を見てみましょう。

倉頡を祀る

中国では穀雨が漢字の発明者とされる倉頡(ツァンジエ)のお話から由来しているという説があります。倉頡は中国を統治した五帝の最初の帝であるとされる黄帝に仕える臣下でした。清明の時期は黄帝を祭り、穀雨は倉頡を祀ることは漢の時期から伝来した風習です。

前漢の武帝の頃、淮南王劉安が学者を集めて編纂させた思想書である『淮南子』によると、黄帝が春の終わりに勅令を出し、倉頡が漢字を発明したことを発表しました。ちょうどその日に「穀物の雨(こぬか雨)」が降りましたということです。これは、倉頡が漢字を発明したことのご褒美とされています、「穀雨」もここから由来しているということです。

チャンチンを食べる

チャンチン(香椿)は中国を原産とするセンダン科の落葉樹であり、樹高が30メートルに達するものもあります。中国中部・北部原産。「香椿(シアンチュン)」とは、日本語ではチャンチンと言い、中国語の「香椿」の音読みです。

穀雨の時期、春の山菜と言われるチャンチンが市場に出始めています。食べるのはチャンチンの若葉です。チャンチンは中国語で香椿と表記されますが、実は椿とは直接的な関係がないです。

チャンチンは特有の香りがあるので名前に「香」の字が入っていると言われています。その若葉はチャンチン特有の匂いがし、食べると春の山菜に共通する苦味もあります。ですから、チャンチンの香りが好きでよく食べる人がいる一方、その香りが嫌い人もいます。

現在は中国の通販アプリである「美団」や「盒馬鮮生」などのアプリでチャンチンを直接に注文することができます。チャンチンの美味しい食べ方は何だろうか?地域によってレシピも異なっています。成都、重慶、深センの人は辛口のチャンチン卵炒めが好きで、上海、寧波、北京、西安などの人はチャンチンを豆腐と一緒に和えて食べるのが好まれています。

牡丹を観賞する

牡丹の花は「穀雨の花」と「富貴の花」と呼ばれています。「穀雨」の節気と同じように、牡丹の花が咲きはじめると春に終わりをつげ、夏の訪れがそこまできてることが分かります。

毎年この時期になると、山東省菏沢市と河南省の洛陽市は穀雨のごろに牡丹の花展を開催します。北京の牡丹の花見名所として、景山公園、地壇公園、北京植物園などが挙げられます。

穀雨茶を飲む

 中国福建省の茶農家によると、本物の穀雨茶は、穀雨の日に摘んだ新鮮な茶葉から作られたものだということです。しかも朝に摘んだものでなければなりません。穀雨茶はビタミンやアミノ酸が豊富で、心地よい香りがします。伝説によると、この日の初摘みの新茶を飲むと一年を災いなく過ごせるといいます。そのため、穀雨の日はどんな天気でも、茶山に行って新しいお茶を摘んで飲む習慣があります。

暦では穀雨をすぎると夏が始まる立夏ですが、今日の北京はだんだんと夏が近づいていることを感じさせる日差しや青空ですね。

文・北京旅行網

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