除夕:年末の最も重要な日

2021-02-01

中国では、大晦日の夜を「除夕」と言います。「除夕」は、中国で1年の最後の日を指しています。旧暦では12月30日、または12月29日であります。日本語では「大晦日」(おおみそか)と呼ばれています。

「除」という字は除去という意味で、「夕」は夜という意味です。つまり一年の最後の夜を送り、新しい年を迎えるという意味です。大晦日は「除夕」のほか、「除夜」の「年夜」または「年三十」とも言われています。「除夕」は中国人の心に特別な意味を持っており、年末の最も重要な日には、遠く離れていても急いで家に帰り、家族と再会します。

また、中国では昔から「除夕」に玄関の両側に對聯を張ったり、灯篭を掛けたりして、祝日の雰囲気を盛り上げるざまざまな風習があります。中国文化の影響を受けて、「除夕」も漢字文化圏で伝統的なお祭りになっています。

年夜飯(とし よる めし)

 「除夕」の夜、故郷を離れて仕事をする人も家に帰り、一家全員揃って食事をする慣わしがあります。家族は中国社会の礎石であり、毎年「除夕」の食事も、中国の家族のお互いの尊重と愛を十分に示し、家族間の関係をより緊密にします。 地域によって、大晦日の夜の食事はそれぞれ異なっています。南方では、十数品の料理を作るが、その中でも豆腐と魚は欠かせないものです。中国語では、魚は「富裕」の「裕」と同じ発音だからであります。北方では、魚のほか、「餃子」も欠かせないものです。餃子自体は古くから日常の食事として普及しているが、除夜の晩に餃子を食べるのは特別な意味があります。

春聯(春節に家の玄関などに貼る縁起の良い対句が書かれた赤い紙)

 中国春聯(しゅんれん)とは赤い紙に各種縁起の良い対句を書き、家の入口などに貼る紙のことで、春節の風習の一つです。中国では春節に必ずドアに貼ります。春聯は玄関の左右に貼られるため『対聯』(トイリエン)とも呼ばれています。大部分が五文字か七文字で左右とも韻を踏む構成になっていて、正に五言絶句と七言絶句が各家々の軒下に見られるのです。宋代になると民間にも春聨が流行したが、当時は桃符と称していました。清朝になってから、春聯の芸術性が大幅に向上しました。

窗花(窓飾りの切り絵)

中国では春節に切り絵を飾りとして窓に貼る習慣があります。春節の切り絵には、素晴らしい生活を期待する願いが込められています。人々はこの願いにより、新しい年の幸運をもたらすことを願っています。剪紙は当初、実質的にはビジュアル的な言語で、アートではなかったです。最初、人々は意思の疎通を図るために、手紙の代わりに剪紙を使いました。剪紙はまた、中国で最古の絵画でもあります。

「福」

中国の春節に最もふさわしい字を選んでみるのであれば、「福」の字が一番当てはまるのではないだろうか。毎年旧暦の歳末と年始になると、家々が「福」の字を書いた赤色の紙を家に貼ります。「福」の字を表門の最も目立つ位置に貼り、「福を求める、福を迎える、福を受け取る、福を祝う」という意味にたとえられ、一部の地方では、「福」の字を逆さに貼るのが流行り、それは「福が来る」という意味になり、逆さと同じ発音になるからです。そして正月用品が売られている市場でさまざまな書体で書かれた「福」の字は、色とりどりで美しく、そのデザインはそれぞれに異なっていて、その色鮮やかさに目がくらんでしまう。

「福」は、以前「幸せになる運命」「福を享受する運命」という意味を指していた。しかし現在では、人々の「福」に対する理解は「幸福」という意味が付け加えられている。「福」の一文字は、すでに中国人の生活の細々とした所にまで浸透し、人々の幸福な生活への憧れとすばらしい未来への願いが託されています。

年画(新年に家の門や扉、壁等に飾る版画)

春節に当たって、春聯、剪紙だけでなく、人々は客間などで「年画」を貼る習慣もあります。「年画」は、中国の一種の古い民間芸術で、中国人の風俗および信仰を現して、そして未来への希望をも託します。

「年画」は新年を祝い吉祥を祈るものとして、特に農村では欠かせぬものである。漢の時代(25年―221年)に始まり、唐、宋時代(618年―1271年)にかけて発展しました。最初は「門画」或いは「門神画」と呼ばれていました。やはり魔除けのためであり、今の形になったのは、清朝の光緒時代(1881年ー1911年)であります。

中国の伝統的「年画」は木版水印が多く、線が単純で色彩が鮮やかです。人気のある絵柄は春牛、金鶏、子供、花鳥、景色、神話、伝説、歴史物などで、いずれも活気にあふれています。

「年画」の名産地として、蘇州の桃花塢、天津の楊柳青、山東の濰坊市が挙げられ、「三大年画の郷」とよばれています。

爆竹

爆竹を鳴らすことは春節を祝うイベントの中で重要な風俗習慣の一つです。除夜、新年の鐘を打ち鳴らす時、都市と村では花火の光と爆竹の音につつまれ、賑やかに新しい一年を迎えます。現在は環境汚染の原因となるため奨励していません。北京では五環内(五環路も含む)の地域は、花火・爆竹禁止エリアとなります。五環路以外については、各区の人民政府が公共の安全・利益を維持するという需要にもとづき、爆竹・花火の制限・禁止エリアを定めなければなりません。

守歳

大晦日の夜、古い年を送り、新しい年を迎えるには、皆が一緒にテレビを見たり、トランプを遊んだり、楽しく夜更かしをする慣わしがあります。それは「守歳」と呼ばれています。つまり、除夜での食事が終わった後、家族と一緒に中国中央電視台春節聯歓晩会(春晩、紅白歌合戦に相当する)を見たり、春節の到来を待ちます。

紅い提灯

 春節が近づき、中国全国各地では街頭に色とりどりに輝く飾り提灯が吊るされ、こうした様々なデザインの飾り提灯が、市民や観光客の目を楽しませています。この風習は1800年以上前の西漢に端を発したと言われています。毎年大晦日の頃、団欒を象徴する赤い提灯が吊るされ、お祭りの雰囲気を醸し出しています。

「圧歳銭」(お年玉)

「圧歳銭」(お年玉)は、赤い紙でお金を包むため「紅包」とも言われています。赤は中国の吉祥の色であり、活力、熱情、喜び、幸運を象徴します。「紅包」を配ることは新年の習わしで、春節の年始回りの際、年長者は事前に準備しておいたお年玉を年少者に配ります。「歳」と「祟」(たたり)は同音であることから、「圧歳銭」はたたりを押さえつけることができ、「圧歳銭」をもらうと一年を無事に過ごすことができると言われています。

「除夕」が過ぎた後、人々は新年を迎えましたが、春節のお祝いはまだ続いています。

文・北京旅行網

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