蛤蟆吐蜜(天津の伝統的なお菓子)三代目の伝承者劉自起:畏敬の念を抱き 行動を起こす

2020-05-20

“来块面,搁块糖,一炸,不打眼儿的叫糖鼓,一个眼儿的叫糖盖,两眼儿的叫套环,三眼儿的叫糖三刀,四眼儿的叫花梨瓣,六眼儿的叫炸六批,八眼儿的叫炸八股,十二眼儿的叫大果子……”坐在木椅上跟我们聊得开怀的中年人,不是别人,正是天津非物质文化遗产蛤蟆吐蜜的第三代传承人刘自起。说起刘自起,大家不一定熟悉,但说起他家的特产“蛤蟆吐蜜”,天津乃至国外不少人都竖起大拇指,道一声“好吃”!

「一つの塊があります、これを割って砂糖を加えます。一度揚げると糖鼓と呼ばれる孔が開きません。一つの孔だと糖蓋、2つだと套環、3つだと糖三刀、4つだと花梨辯、6つだと炸六批、8つだと炸六股、12の孔だと大果子…なんていう言い方があります」。木の椅子に座って私達に話しかけている中年が、まさに天津の無形文化遺産「蛤蟆吐蜜」の三代目伝承者の劉自起です。劉自起といえば皆さんあまり馴染みがないと思いますが、彼の家業の特産品である「蛤蟆吐蜜」といえば、天津しいては海外の人からも一言「好吃(美味しい)」と親指を立ててと言われる事が多いのです。

蛤蟆吐蜜

蛤蟆吐蜜是天津传统小吃,早先它并不是小吃类,而是更高级的“小货儿”类,取名有招财进宝之意。周身裹着白芝麻,棕红甜蜜的豆馅吐了出来,形似一个在那蹲坐的蛤蟆,而且这个方向一致的“吐”口不是用刀切的,也不是用手扯的,更不是被馅挤爆的,而是在烤炉里自然裂开的。一口咬下去,皮薄有嚼劲,豆沙馅绵软细腻,甜度正合适,多一分则嫌腻,还有一股香气直往鼻子里蹿,确实味道好!

蛤蟆吐蜜とは天津の伝統的なお菓子で、以前はお菓子類ではなく、より高級な「贈り物」に分類され、お金を入ってくるとの意味を込めて名付けられたものです。周りには白ごまがまぶされ、赤褐色の小豆あんが出てきて、まるで座っているヒキガエルのような形です。しかも、方向が一致した「吐き」口は刀で切られたものでも、手で破られたものでも、ましてや餡が飛び出したものでもなく、焼いている時に自然と裂けたものなのです。一口噛めば、薄い皮はモチモチしていて、小豆あんは柔らかくて細やかで丁度いい甘さです。一つでは足りず、鼻の中まで香りが届き、たしかに美味しいものです。

刘师傅介绍到,蛤蟆吐蜜对味,最主要是坚持老技法。别看小小的一个蛤蟆吐蜜,要经过26道工序才能出炉。最关键是使用老糟肥,而不是酵母。酵母适合做面包等暄软的食物,而老糟肥做出来的面食口感劲道且松软暄腾,就是那个味!发酵需要5天的时间,从大孔加小孔的嫩肥,到窝孔大且有不规则花纹的面肥,再到稳定性强并有紧密蜂窝状孔隙的老肥。每天面点师傅都要不断的接肥,以保证面皮的韧性和天然香气。老糟肥做好了,蛤蟆吐蜜才能自然开裂。美食需要时间的酝酿,有些东西机器始终无法替代。

劉先生は「蛤蟆吐蜜の味について最も大切なので古い技法を堅持することだ」と紹介しています。小さな蛤蟆吐蜜を甘く見ることは出来ません。26もの工程を経てから出来上がるのです。最も重要なのは寝かせて発酵させることで、酵母ではありません。酵母はパンなどのフカフカとした柔らかな食べ物に適しており、時間を掛けて発酵させる「老糟肥」が出来上がった粉ものはしっかりとした噛み心地と柔らかさがあります。この味なのです。発酵には5日間かかり、大きな気泡に小さな気孔の嫩肥が入り、大きな穴から不規則的な花紋の面肥(発酵度合い)になると柔らかさが加わり、更に安定性のある緊密な蜂の巣状の穴のある老肥(熟成した発酵度)になります。皮の粘り強さと天然の香りが出てくるまで、毎日粉もの職人たちが絶えず、接肥(発酵の練り返し)を行います。老糟肥(発酵)がうまくいくと、蛤蟆吐蜜は自然と裂けてきます。美味しいものには時間という醸成が必要ですが、ある種のものは機械に決して置き換えることことが出来ません。

刚出炉的蛤蟆吐蜜是口感最好的时候,要是打包带回家,可不能放冰箱,想吃热乎的微波炉热30秒就行,因为原材料正宗,没有任何添加剂,所以只能保存3天。提到打包,就不得不提蛤蟆吐蜜的包装了。把四块蛤蟆吐蜜整齐摆放在黄纸中央,再加一层,共八块,把它折成一个小包裹,附上一层大红色的五福签儿,用纸绳系成一个小“拎手”,古香古色的气息扑面而来,好像回到了民国。红色的五福(蝠)签儿,左边是父母福,右边长辈福,底下是儿孙福,第五福呢,是顾客站在门前,见者为福,这是中国人的传统,也是儒家精神。提着这个,叫带福还家。到家以后,叫福从天降。一手提一手托,叫托您的福。冯骥才先生这么说,“福是好事情,也是好运气。再没有一个字能像福字承载着中国人对幸福生活的强烈渴望与心怀的梦想。”

出来上がったばかりの蛤蟆吐蜜は口当たりが最も良いタイミングで、家に持ち帰っても決して冷蔵庫に入れることが出来ず、熱々の状態で食べたいのであれば電子レンジで30秒加熱すればいいのです。原材料は正真正銘なんにも添加剤が加えられていないので、3日しか保存できません。お持ち帰りといえば、蛤蟆吐蜜の包装を上げないわけには行きません。4個の蛤蟆吐蜜を黄色い紙の中央にきれいに並べ、もう一層加えて8個にします。それを一つの小さな包の中に入れ、その上から真っ赤な五福のラベルを付けて、紙縄で小さな「手提げ」を作ると、古めかしい雰囲気が漂ってきて、民国時代に戻ったかのようです。赤色の五福ラベルは、左側が父母の福、右側が長老の福、下側は子孫の福、第五福とは、お客様が入り口に立ち、会う人が福と成るということで、中国人の伝統であり、儒教の精神でもあります。これを持ち帰ると、福を家に招くという言い方をします。家についた後、福が天から降りてくるといいます。片手で持って片手のひらにのせる、これをお陰様といいます。馮驥才先生はこのように言います。「福は良いことであり、運がいいことでもあります。「福」のように一文字で中国人が幸せな生活に対する強い渇望と心中の切望を支える文字はないでしょう。」

刘师傅家的招牌叫蛤蟆吐蜜,不过可不只卖这一种点心,还有其他传统“小货儿”。

劉先生の家業の名物料理は蛤蟆吐蜜といい、この一種のお菓子を売っているだけではなく、その他の伝統的な「贈り物」も売っています。

干蹦儿:旧时公子哥看戏必备

幹蹦兒:昔の若旦那衆が観劇する際に必須なもの

刘师傅拿出两个干蹦儿,跟我们说道起来,干蹦儿是用嫩肥加碱和面,抹上油酥,做成螺丝转状,经过烤制,抹上很多芝麻,起到隔开的作用,之后倒拿起来簌下三四成的芝麻。怎么吃呢?古时候,公子哥儿提着鸟笼到戏园子看戏,叫上一个干蹦儿,再来一壶茶,边喝茶边看戏。当看到精彩处,往桌子上一拍干蹦儿,干蹦儿就由几个酥脆的小条变成更小的几十个细条,然后用手指捻到嘴里,慢慢地品尝,不时地喝口清茶,一下午就这样过去了。

劉先生は幹蹦兒を2つ取り出し、私達に話し始めました。幹蹦兒は嫩肥(発酵度合いの低い)ものに炭酸ソーダと小麦粉を加え、ショートニングを塗って、ネジのように回します。焼き上げる過程でまぶされた胡麻が裂ける作用を引き起こし、3割から4割のゴマが振り落とされます。どうやって食べるのでしょう?古くは、若旦那衆が鳥かごを持って、芝居小屋で観劇をする時に、幹蹦兒を一個を注文し、お茶も注文して、お茶を飲みながら芝居を見ていました。劇がクライマックスに達した時に机の上から幹蹦兒を叩くと、幹蹦兒は幾つかのかけらが更に小さい数十個の細いスティックになり、指を使って口に入れてゆっくりと味わいます。時々お茶で喉を潤すと、あっという間に時間が過ぎていきます。

捹“巧果”:胡同巷尾孩子们的游戏

捹「巧果」:胡同の路地の子どもたちの遊び

传说每逢七月初七,牛郎织女相见。这一天,王母娘娘命雷公电母布雨加以阻止。那时善良的人们将新麦做成各种不同样子的花饼花果,俗称巧果。母亲将巧果用红绳穿串后,戴在男孩的脖子上,孩子们在胡同里用游戏的方式去赢得对方的巧果。赢了,长大后会取回天仙一般的女孩。同样,女孩子也将做好的巧果送到未来婆家,证明自己就是那位美丽勤劳的天仙。美好的故事有了结局,人间也留下了有美好寓意的巧果。

古くから毎年7月7日に彦星が織姫と会うと言われています。この日は天の王母娘娘(西王母)は彼らの再会を阻むように雷公に雨を降るように命じました。その時善良な人たちが新麦を使っていろいろな形の花餅花菓子を作ることから、巧果と呼ばれています。母親は巧果を赤い縄で紐をつなぎ、男の子の首に掛けると子どもたちは胡同の中で遊びとしてお互いの「巧果」を取り合います。勝つと大きくなった時に美しい天女のような女の子を嫁に迎えられるというのです。同じように女の子も作り終えた「巧果」を未来の嫁ぎ先に送ると、自分が美しく勤勉な天女のような美人であることを証明するのです。美しい物語には終りがあり、人々も美しい意味を持つ「巧果」が残るということなのです。

学艺:口传心授 实践中领悟

技法の習得:口で伝え、心で悟らせる。 実践の中から悟る

边喝茶边吃着点心,我们也体会了一把古时候公子哥的待遇。随着聊天的深入,刘师傅回忆起以前跟父亲学艺的事,感慨很多。他说那个时候父亲只教一次,不存在反复指导。半夜两点,父亲让自己完整做一遍,过几天再做一遍。父亲也不说什么,自己只能在心里“倒腾”父亲教的东西,自己琢磨消化,那时候窍诀不明说更不会写下来。刘师傅就这么做着,直到有一天他在做面食时,好像忽然间明白了,就去和父亲求证,父亲微笑着说确实是这样。到这,刘师傅才算完全学会了这门手艺。

お茶を飲みながらお菓子を食べると、私達も昔の若旦那たちの生活を感じることが出来ます。話が深まるにつれ、劉先生は父親から学んだ技法のことを思い出し、感慨深げでした。彼が言うにはあの頃父親は一回しか教えてくれず、繰り返し指導することなどありませんでした。深夜二時ごろ父親は自分に対して全てを一度やらせ、数日が過ぎてから再度やらせました。父親は何も言いませんが、自分は心のなかで父親から教わったものを「呼び起こし」自分でよく考えながら消化するしかありませんでした。あの頃のコツははっきりと言葉にしませんし、ましてや書き取ることなど出来ませんでした。劉先生はこうやって作り、ある日粉ものを作っている時に突然わかったようで、父親に確かめに行くと、父親は微笑みながら「確かにそうだ」と言ったのです。こうして、劉先生はこの技巧が身に付けてきたのです。

“即使到我这个年纪做手艺也是要心存敬畏,只有心怀敬畏,才能把东西做好,以前都是拿最好的去供养祖先,现在我们开店也是要给顾客最好的东西”,刘师傅说到,“怎么心存敬畏呢?就是把活干细,特别小心特别细致地去做,内心自然会升起敬畏,这需要在干活中慢慢体会,只有这样才能做出来美好的东西。”无论时代怎么变迁,有些东西总有人在坚守。

「たとえ私がこの年になっても職人として畏敬の念も必要です。この心があってこそ、物をうまく作れます。以前は最もいいものを祖先にお供えしましたが、現在私達の開いている店でもお客様に最も良いものを提供しているのです。どんな畏敬の念なのか?つまりは仕事は細やかに、特別に配慮をして仕事をすることで、自然と心に畏敬の念が湧き上がってくるのです。それは仕事の中でゆっくりと経験する必要があり、その時にこそ初めて美しいものが出来上がるのです。」と劉先生はいうのです。時代がどんなに移り変わろうと、あるものはどうやっても人が守っていくものなのです。

传承发展 弘扬中国传统文化

伝承の発展 中国伝統文化の発揚

刘师傅咂了一口茶,自豪地跟我们说这门手艺得到大家的认同。有不少顾客从国外回来专门来这,就为了这一口老味道。西班牙媒体还特地飞过来品尝报道,在国外的华人圈里,蛤蟆吐蜜相当有名气。去年从美国一下子来了三十多对夫妻,听别人推荐来这吃传统点心。最让刘师傅感动的是,一位老人带着国外的儿子来店里,指着说“这是中国传统文化”。刘师傅也许没想到,以前糊口的买卖如今成为了民族文化,他觉得应当要传承发扬,让更多人了解中国传统文化。目前第四代传承人刘芃成在店里帮忙,继承了这门手艺,利用社交平台宣传蛤蟆吐蜜,同时也积极参加外交部的天津推介活动、民间的美食节等,努力让中国传统文化走向世界,走得更远!

劉先生は一口でお茶をすすり、誇らしげに私達にこの技巧がみんなに認められたことを話してくれました。この古い味を求めて、海外からここに来るために戻ってくるお客さんもたくさんいます。スペインのメディアはこのお菓子をレポートするためにわざわざ飛んできたり、海外の華人社会の中では蛤蟆吐蜜がかなり有名です。昨年はアメリカから三十何組の夫婦が人から推薦されたこの伝統菓子を食べるために訪れてきました。劉先生を最も感動させたのは、お年寄りが海外の息子をこの店に連れてきて、「コレが中国の伝統文化なんですよ。」指差すのです。思わなかったのは、以前は生計を立てるための商売が今や民族文化となり、彼ももっと伝承の発揚を行って、もっと多くの人に中国の伝統文化を理解してもらいたいと思うようになりました。現在四代目の伝承者劉芃成が店を切り盛りしており、この技巧を継承し、ソーシャルネットプラットフォームを使って蛤蟆吐蜜を宣伝し、同時に外交部の天津プロモーションイベントや民間の美食フェスティバルなどへ積極的に参加し、中国の伝統文化が世界に向けてより遠くに羽ばたけるよう努力しています。

文・北京旅行網

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