江南地方の冬にまつわる風俗

2013-12-09

日、一日と寒さが加わる今日このごろ、いよいよ本物の冬の到来が感じられる。さて、今回は引き続き冬をテーマにし、中国江南地方の冬にまつわる風俗習慣をご紹介。

1、水郷の冬の情緒

中国の揚子江以南の江南地方は毎年12月上旬から冬に入るが、古風な石橋、小川の川辺に茂る白い蘆の花や鮮やかなナンキンハゼの葉を眺めると、江南水郷の冬の落ち着いた雰囲気を感じられる。また、元の時代の漢詩「秋思」は江南水郷の秋と冬の寂しい風情を巧みに表現している。特に「枯藤老樹昏鴉,小橋の流水人家。(枯藤の老樹昏(くれ)の鴉、小橋の流水人家)」という数句は特に有名だ。

2、冬至の夜の一家団欒

中国の江南地方では、二十四節気の一つ・冬至は大切な祝日で、冬の節句と言われている。日本では冬至といえば、かぼちゃと柚子湯だが、中国江南地方では餡の入ったもち団子「湯圓」、甘酒のような「醪糟」それにあずきご飯「紅豆飯」を食べる習慣がある。また、この日は家族団欒で過ごすという風習もある。冬至の夜、暖かい灯りの下で一家で食卓を囲み美味しい料理を食べたり、和気あいあいとおしゃべりしたりすれば、ストーブの熱気が冬の寒さを外に追い出して、部屋の中は温かい家族愛に満ちていく。

3、雪中観梅

江南地方は昔から多くの文人が集まるところで、洗練された文化が育まれた。また、江南地方の知識人には書斎の机の上に盆栽や生花、季節の果物などを飾る慣わしがある。これから文人たちは四季折々の自然の情景を感じていたそうだ。例えば冬には、水仙や梅の花などが江南文人の書斎に不可欠となる。また、雪が降った後に凛と咲く梅の花を求めて、あちこちを尋ねることは江南文人の冬の高尚な趣味と讃えられた。

4、美しい断橋残雪

江南地方の冬の美しい景色といえば、いつも「断橋残雪」が取り上げられる。断橋は江南地方の名勝地・西湖の雪景色を堪能できる最高の場所だ。雪が降った後、橋の陽の当たる部分の雪は融けるが、陽が当たらない部分の雪は残るので、高いところから見ると橋が途切れているように見えるのだ。このため、「断橋」という名前がつけられた。また、断橋は中国の民間物語「白蛇伝」にも登場した。書生の許仙はこの断橋でヒロインの白娘子に出会い、壮絶な恋の物語が始まった。断橋はこの美しい伝説の舞台として、とてもロマンチックで有名な橋なのだ。「CRI日本語版」

北京旅游网

モデルコース
人気おすすめ