中国の伝統医学において、運動は養生の重要な一部で、その種類を外功と内功に分けられます。外部へ力を使うジョーキングなどは外功に属すが、八段錦、太極拳、五禽戯などは内功に属します。気が消耗され過ぎる強い運動と違って、内功では、力ではなく、意念を使い、気で肢体を動かせ、程良く、傷気耗血しないです。太極拳、八段錦は皆中医養生保健学の精華で、中医学では導引術とも呼ばれています。それでは、動画で中国・道家から伝わった5000年の歴史を持つ健康法「導引術」を学びましょう！第三回は「五禽戯（ごきんぎ）」をご紹介します。

五禽戯とは、中国後漢時代の名医・華陀が、虎・鹿・熊・猿・鳥の5種類の動物の動きの特徴をもとに創編した健康法です。気功の基礎と、太極拳の術理が溶け込む五禽戯は、中医の臓腑経路学説を結びつけ、全体として健身作用や各動物の動作に特定の治療効果があります。虎の動きをイメージしている「虎戯」は手の握力増強、全身の骨と関節を丈夫にし、特に背骨、肺、腰、生殖泌尿器を丈夫にすることができます。鍛えられる臓器は、腎臓と膀胱です。鹿をイメージしている「鹿戯」は血管や筋肉の収縮力を高めてしなやかにすることができます。鍛えられる臓器は、肝臓と腎臓です。熊の動きをイメージしている「熊戯」は胃腸など消化器系統を強くし、下痢や便秘を予防して股関節を強化できます。鍛えられる臓器は脾臓、肝臓、胃です。猿の動きをイメージしている猿戯は、脳を刺激して反射神経と判断力を高める首や眼の動きを円滑にし、精神的緊張や、鬱状態を予防し治療できます。鍛えられる臓器は、心臓と小腸です。鶴をイメージしている「鳥戯」は、肺活量を増加して呼吸力を強化し、手首、膝、股関節を強化し、平衡感覚を養うことができます。鍛えられる臓器は肺と大腸です。