中国詩勉強、常建・「题破山寺后禅院」

2019-02-22

题破山寺后禅院唐・常建

清晨入古寺 初日照高林    曲径通幽处禅房花木深

山光悦鸟性 潭影空人心    万籁比都寂惟闻钟磬音

破山寺の後禅院に題す

唐・常建

せいしん こじにいれば  しょじつこうりんをてらす

清晨   古寺に入れば  初日 高林を照らす

きょくけいゆうしょにつうじ ぜんぼう かぼく ふかし

曲 径幽  処に通じ  禅房   花木  深し

さんこうちょうせいをよろこばしめ たんえいじんしんをむなしうす

山 光鳥 性を 悦ばしめ   潭影 人心を空しうす

ばんらい ここに すべて せきたり  ただきく しょうけいのおと

万籟  此こに 都て  寂たり   惟だ聞く 鐘磬 の音

訳文

すがすがしい朝、古びた山寺に入ってみると、朝日が高い林のこずえを照らしている。曲がりくねった小道はひそやかな場所に通じ、僧房は花咲く木々の生い茂った中にある。山にきらめく日航に鳥たちはその性のままたわむれ、深い淵のたたえる光に人の俗念はさっぱり洗い落とされる。あらゆる世間の物音はここではすっかり鳴りをひそめ、聞こえるのは寺で打ち鳴らす鐘と磬の清らかな響きのみ。

作者紹介

作者、常建を紹介しましょう。初唐の人。長安の出身とも言われますが定かではありません。玄宗皇帝のもとで進士に及第して役人になりますが、生涯を通して役人としては不遇な人生を送りました。詩人としては、山水田園風景の作品が多く、王維や孟浩然に近い作風でした。この詩は、作者常建が今の江蘇省常熟県にあった「破山寺」破山の寺、興福寺と言うお寺の「後禅院」、僧が住んでいる房を訪ねた時のものです。花木深しとありますから、お正月ではなく、春から初夏にかけてかもしれませんが、すがすがしい朝の空気、光、小道、鳥、そして鐘の音、私にとってはお正月のイメージです。目を閉じると情景が浮かんでくるようです。

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