中国詩勉強、劉禹錫・「秋思」

2018-06-19

作者、劉禹錫は中唐の詩人。日本では、白居易ほど有名ではないかもしれませんが、白居易とは交流があり、彼から詩豪と賞賛されていました。タイトルの「秋思」は、文字通り、秋の物思いと言う意味です。「寂寥」は、静かでさびしい様子。「秋日」の日は、一日と言うよりも日差しの意味の「日」のようです。直ぐ後ろに「春の朝」となっていますから、春の元気あふれる朝の日と較べ秋の優しい日差しのほうが好きだと言っています。 雲を排しての排しては、排除してと言う意味ですから雲を押し分けるような様子でしょうか。便利の「便」は、「すなわち」と読んで「言い換えれば」という意味です。「碧霄」は、青空のことです。秋の空は、「天高く馬肥ゆる秋」と言う言葉があるように、夏の空とは青の色が違って、淡く見えて空が高いように感じます。また、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ」と、秋の訪れは風が知らせてくれますが、今日の詩を読んでみると、秋の訪れは、空の色にも表れるように思います。夏が賑やかだった分、秋はなんだかもの寂しいのかもしれません。でも、うつむいていないで、背筋を伸ばして空を見上げてみようと、この詩は思わせてくれます。

「中国国際放送局」より

中国国際放送局

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