中国の警察関連の言葉・派出所

2018-06-05

【派出所】(pàichūsuǒ)

[名]派出所,地元警察署.

『中華人民共和国外国人出入国管理法』及びその『実施細則』では、外国人は入国及び目的地到着後24時間(農村地域では72時間)以内に、地元の「派出所」を訪れ、「境外人员临时住宿登记(外国人臨時居住登録)」をしなければならない、と規定されています。これはかなり面倒な手続きなのですが、短期でも長期でもそれが義務付けられています。もちろん、入国後頻繁に移動をする場合は登録の仕様がありませんし、それができない状況にある場合もありますので、これがどういう手続きかを知らない人もいるのではないかと思います。特に、ホテルなどに泊まる時には、ホテルなどの宿泊先がオンラインで登録しますので旅行者本人には全く自覚のない手続きとなり、余計にその手続きの存在すらわからない、ということも多いようです。

ここに出てくる「派出所」は、「公安(警察)機関」の末端組織で、上級公安機関、ここでは一般的に「分局(一つ上の行政区分に配置されている公安機関。北京市公安局東城分局などがそれに当たる)」の出張事務機関となり、主として管轄区域の住民の戸籍管理と治安維持などの作業を行う機関となります。また、この「派出所」は、地域や社会状況、人口規模などによって、「城市派出所」(都市派出所)、「农村派出所」(農村派出所)、「水上派出所」(水上派出所)、「铁路派出所」(鉄道派出所)などに分けられます。

日本の派出所(現在では1994年から交番KOBANの呼び名にほぼ統一されています)の場合は、治安維持のための警邏作業が基本業務であり、住民登録については、例えば誰かが新しく引越してきたときに、住民カードのようなものに記入するために家庭訪問などをしますが、中国の派出所の取り扱うような、こうした戸籍に関わることは市役所かその出張所が処理しています。そして、基本的に短期滞在の場合にはそれを要求していませんので、この辺は違うところと言えるでしょう。また、日本で「公安」という場合、ちょっと怖い感じがします。日本の「公安」は、中国の「国安」(国家安全部)に相当してしまいますので、漢字だけ見ると怖いイメージを覚えてしまう人もいます。

実は、この「派出所」という言葉は、日本語由来の言い方です。日本語では特に「警察の出先機関」だけを指す訳ではありませんが、中国では公安機関の派出機構を指す言葉として市民権を得ています。この辺の違いには、漢字の生命力の違いのようなものが隠れていそうです。

「中国国際放送局」より

中国国際放送局

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