中国詩勉強、于謙・「偶題」

2018-05-22

作者、于謙は明の政治家。現在の浙江省杭州の人。明の英宗皇帝がモンゴルのオイラートと戦い敗北し河北省の土木堡で捕虜になった土木の変で、北京を死守するなどモンゴルの侵攻を防いだことから歴史に名を残しています。タイトルの「寓題」は、たまたま即興で作った詩と言う意味です。日本の俳句の季語にもなっている「風薫る」。初夏、今頃の若葉の香りが漂うようなさわやかな風を薫風といいますが、この言葉を見ただけで、新緑の景色とからっとしたさわやかな風が目の前を吹き抜けていく情景がありありと目に浮かびます。木の枝に停まって囀っている鳥は、茂った木陰を愛している。この時期、もう日差しも強いので、鳥でなくても木陰を選んで歩いてしまいます。本来なら飛んできて、また、飛び去っていくのでしょうが、鳥はよほど葉の茂った木陰が気に入ったのでしょう。飛び去ろうとしないようです。風が肌を吹きぬけ、鳥の声が耳に聞こえ、目の前にはキラキラした太陽と生い茂った新緑の木々。五感で、今頃の季節を感じさせてくれる詩です。

「中華網日本語版」より

中華網日本語版

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