【北京女子图鉴】(Běijīng nǚzǐ tújiàn)
[固]北京女子図鑑.
日本のドラマ『東京女子図鑑』をリメイクしたネットドラマのタイトルです。
話題の小説を実写化した日本のドラマ「東京女子図鑑」が中国でも人気を集めたことから、昨年10月、中国の動画配信サイト優酷(Youku)が「東京女子図鑑」の著作権を持つワタナベ・エンターテインメント社と東京カレンダー社との間で、北京と上海を舞台にそれぞれで中国版の「東京女子図鑑」を製作することで合意に至ったことを発表しました。これは、優酷が日本側と十分に意思疎通を交わしたうえで合意に至ったもので、中国を代表する二大都市北京と上海を背景にドラマを製作すると言うこれまでの合作の中でも珍しい合作企画です。
そして、このほど、北京版の『北京女子图鉴』の配信がスタートすることになりました。
人気女優・戚薇(チー・ウェイ)が主演を務め、ファッションメディア大手であるトレンドグループの蘇芒(スー・マン)総裁がファッションコーディネートを担当するこのドラマでは、ヒロインの若い女性陳可依(チェン・コーイー)が、夢を叶えるために北京に「上京」するところから物語が始まります。そして、独身女性が一人で大都市に暮らし働くリアルな姿を描きます。また、この物語は、2008年から2018年の10年間の陳可依の成長を軸に描かれています。
ヒロインを演じるチー・ウェイさんは、ヒロイン陳可依と同じく四川省出身であることから、役作りに当たって「思い出したくないことまで、あらゆる経験を全部つぎ込んだ」と語りますが、独立した自分を目標にしながらも、なぜか男性への依存度が高いヒロインの姿には、視聴者から「ブレすぎ」「受け入れられない」という声も多く、コミュニティサイト「豆瓣(ドウバン)」での点数もそれほど高くないようです。
オリジナル版が中国のネットユーザーの間でも評判が高かった一方で、リメイク版の評価がなぜここまで低いのかという疑問には、「『東京女子図鑑』は主人公自身の努力でいい仕事に乗り換え、彼氏も乗り換えるが、『北京女子図鑑』の主人公は仕事でも生活でも男に頼って這い上がっていく。2つのドラマは本質的に違う」との指摘があります。
ここ数年、日本で人気が出た映像作品や小説をリメークする中国の映像作品が増えていますが、好評を博したものはわずかです。その原因としては、原作をしっかり咀嚼(そしゃく)していないことや、中国文化や中国的な思考法をストーリーに上手く織り込めなかったことなどが考えられます。
こうしたことから感じるのは、コンテンツ制作にはまだまだ「工匠精神」が足りないのかな、と言う点です。中国のクリエイティブ業界のさらなる努力が望まれます。
「中国国際放送局」より