人気マンガに関する中国語・镖人

2018-05-10

【镖人】(biāorén)

[名]ボディガード、用心棒.

古代に旅人や貨物輸送の護衛にあたった武術の心得のある人を指した言葉で、「镖客(biāokè)」とも呼ばれます。いわゆるボディガード、古い言葉では用心棒ですが、保護する対象は貨物や旅人だけでなく、中には賞金のかかったお尋ね者がいたことすらあるようです。

さて、この『镖人』は最近中国で評判の漫画作品のタイトルで、英語では『BLADES OF THE GUARDIANS(ブレイズ・オブ・ザ・ガーディアンズ)』と呼ばれ、日本でも話題になりました。NHKの番組でも3回も取り上げられ、「世界レベルの傑作だ」との評価を受け、その流れで、単行本が中日同時発売されることも決まっているそうです。

作品は中国の隋朝(581-618年)の末期から唐朝(618-907年)の初期の時代を舞台にしたもので、主人公の刀馬が身元不明の「镖人」として、幼い息子を連れて、物騒な世の中を旅します。表向きはよく金を口にしますが、実は自分なりの道義と原則で行動する人と言う設定になっています。日本のイメージでは子連れ狼のようなイメージで捉えると分かりやすくなるでしょうか。

『镖人』はネット上で約4年間連載され、高い口コミと人気を誇っています。読者からは、「感動の作品。画風にしてもストーリーにしてもとても成熟していて、中国の漫画に希望を感じることができる」との声も寄せられています。先頃北京聯合出版有限公司から出版されたのは一巻目で、中には第一章から第七章までの全内容とネット連載にはなかった『刀馬と常貴人』が含まれています。

これだけ評判を集める作品の作者である許先哲氏は美大出身というわけではなく、漫画を書くことを決めたのは26歳頃という異才です。隋末の世界観を再現するために、史実資料の収集に7年の時間をかけ、登場人物の服装、武器、文化に至るまで詳しく研究したと言います。彼曰く、「中国の歴史にはたくさんの王朝、素晴らしい人物、書籍がある。それらを真剣に発掘すれば、良い物語を作り出すことができる。漫画は、日本の物語をコピーするのではなく、中国ならではの素材を使って勝負しなければならないと思う。ここで言っているのは画風ではなく、文化の奥行きのことだ」とのことで、そのこだわりから、納得のいくスタートを切りたいと、扉絵だけでも2000回以上書き直したということです。

日本の読者がどう受け取るのかが非常に楽しみな作品です。

「中国国際放送局」より

中国国際放送局

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