『漢詩歳時記』:「山行」杜牧

2016-11-11

暦の上では、立冬を過ぎ「冬」になりました。今年は、10月下旬に厳しい寒波が北京を襲い、最低気温が氷点下になるなど暦よりも早く「冬」を実感しました。逆に、ここに来て少し厳しい寒さは緩んだようですが、日が沈むのがめっきり早くなり、やはり季節の移り変わりを感じます。冬を感じながらも、街中の街路樹の紅葉は今が見頃です。黄色く色づいた銀杏が北京の紅葉の主役です。少しずつ葉を落とし始めているとこもあり、足元に黄色い絨毯を敷いたような場所もあります。今日は杜牧の「山行」を紹介します。

作者、杜牧は晩唐の詩人。長安の名門の家に生まれます。しかし、当時すでに衰退が始まっていました。今日紹介した「山行」は秋の風情を詠っています。タイトルの「山行」は、山歩きのことです。ちょうど今頃、秋と冬の季節が交差する頃の山の景色が目に浮かぶ作品です。「寒山」は寒々とした山。「石径」は石の多い小道で、「白雲」は、実際に霧のかかったような雲であり、仙人等がいる世界のことも表しているのかもしれません。「楓林」は、文字通り楓の林。この時期ですから、見事に紅く紅葉しているのでしょう。紅い葉は、夕日に染まって、更に紅くなっているようです。「霜葉」は霜が降りた葉。霜が降りた葉と聞くと、なんだかもの寂しいのですが、二月の花より紅なりと言って、詩を結んでいます。「二月の花」、旧暦ですから今の三月の花、桃の花のことです。霜に打たれた紅い葉を桃の花より紅い、つまりきれいだと言っています。

中国国際放送局より

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