中国のアニメ 本土の神話から取材し、復興を目指す

2016-07-04

2015年7月に中国大陸で上映し、九億人民元の興行収入を収めた他、アメリカ、シンガポール、日本などの外国にも輸出した大ヒットアニメ映画「西游记之大圣归来(和訳:西遊記ヒーロー・イズ・バック)」に引き続き、2016年7月に上映する「大鱼海棠(英訳:Big Fish&Chinese Flowering Crabapple)」というアニメ映画は、中国伝統文化を背景に、繊細な画面と中国人の伝統審美に合ったキャラクターデザインで、中国アニメ界の待望の大作と呼ばれ、人々の関心を集めている。

「大鱼海棠」は、神界の建物に住んでいる「椿」という女の子と人間界で知り合った人間の男の子「鲲」の間の物語である。2004年にプロモーションビデオが出された後、フランスで開かれた「アジア五十年アニメ優秀作(亚洲50年优秀动漫)」の展覧に入選し、早くも国内のアニメファンの関心を引き寄せた。2013年、製作資金の不足で「大鱼海棠」の製作側はソーシャルファンディングを社会範囲で呼びかけ、当時、158万元の最終募金で中国史上一番多く集めたアニメ映画の募金になった。その後、製作組は制作に専念して、いよいよ、2016年、上映に迫る。

中国のアニメ産業は、80・90年代に一連の優秀作を出した以来、現在に至っては、優秀作は数少なく、アニメと言えば子供向けの作品しか思い浮かばない。しかしながら、ほぼ同じ時期に、隣国の日本は、アニメという分野で、世界に注目されるような成果を取った。その事実に動かされて、近年、中国もアニメ産業の更なる進歩を求めている。

中国は、五千年の歴史の蓄積でいろいろ発掘し、利用できる文化資源がある。去年、国内のアニメファンの熱情を喚起した「西游记之大圣归来」は「西遊記」から取材し、聖僧になる前の、子供三蔵と如来に百年鎮圧され、意外で自由にされたおじさん孫悟空の間で行った様々出来事を描き、新たな物語を織り成した。上映した際は、観衆の「よくやった中国アニメ!」「これを見ないと損するぞ!」などのコメントを収め、「西游记之大圣归来」は人気爆発し、最終的に興行の奇跡にもなった。今回の「大鱼海棠」も中国の古書『山海経』から取材し、同じく、歴史の文化資源を利用したのだ。映画の色合いからキャラクターデザインまで「中国要素」に溢れている。その最終評価はどうなるか、筆者も非常に興味を持っている。

文化の影響力というソフトパワーは、現代世界で国を評価する際に欠けない要素の一つである。それは、その国自身の民衆の幸福感に関わる他、国自体の進歩と発達にも繋がる。中国は五千年の文化の蓄積を如何に活かすかというのは、これからの課題の一つである。アニメ産業にしては、昔のような優秀作をもっと出すという目標を確立する際、アニメ強国の日本とアメリカなどと肩を並べようとする勇気が必要である。現在、中国はアニメにおいて、本土の神話から取材し、復興を目指す方向への努力は見られ、その後の展開も期待されている。

新華網より

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