「嫦娥、月に奔る」

2011-08-29

中秋節に月を拝むといえば、民間にある神話がルーツだ。昔々、空には10の太陽があった。地上は焼けつくように熱く、川は干上がり、農作物や木々が枯れて、人々は暮らせなくなってしまった。

そのとき、弓の名手・ゲイが弓に矢をかけ、9つの太陽をつぎつぎと射落とした。最後に残った太陽は、それを恐れて「早朝にのぼり、夕方に沈む」というゲイの求めを聞き入れた。こうして、気候が順調になり、万物がすくすくと伸びて、人々は平和に暮らせるようになった。その後、ゲイは嫦娥を妻とし、仲むつまじい生活を送った。

不老長寿を望んだゲイはある日、西王母(西方の崑崙山に住むとされる中国の伝説の女神)に不死の薬をもらい、それを嫦娥に保存させた。しかし嫦娥は、8月15日にその薬を飲んで、月にあるという宮殿「広寒宮」へ舞い上がってしまった。猟をして戻ったゲイは、嫦娥が月へ奔ったと聞き、悲嘆にくれて嫦娥を想った。

毎年8月15日になると、庭にテーブルを置いて、嫦娥が好きなくだものを供えた。それを見た人々が、ゲイのように供え物をならべて、嫦娥を記念することが慣わしになった――といわれている。

北京旅游网

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