中国の編み物―寧波草席(ゴザ)

2012-09-07

浙江省の寧波市のゴザは、品質の高い実用的な工芸品として古くから知られている。

寧波のゴザの特徴は、水がしみ込まない程きつく厚く編みこまれていて、垂直に立てることが出来るほどハリがあることである。また、柔軟でツヤがあり、心地よくほのかに香る。使わない時は丸めて収納できて場所をとらず、使うときには湯でひと拭きすれば、更に光沢がでて香りが増す。軽く、丈夫で上質な麻で編んだゴザは四十年もつといわれる。

ゴザは鄞県黄古林一帯で取れる多年生植物を編んで作られる。材料は温暖な気候と豊かな土壌に恵まれて育った、太さが一定でまっすぐ、弾力があり丈夫な草である。一般的に白麻、緑麻の繊維を使用するが、白麻の方が高級とされている。伝統的な嫁入り道具として花嫁は白麻のゴザを贈られる風習がある。

明代(1368-1644)の「四明郡誌」の記述によると、黄古林一帯でのゴザ生産は唐時代(618-907)に始まり、すぐに寧波を代表する産業に成長した。清代(1644-1912)に最盛期を迎え、二十件以上の工房がゴザを生産して中国各地や近隣のアジア各国と頻繁に取引されていた。表面に模様をプリントしたものや、手動の編み機が開発されるなど、新しい技術技法が発達したのもこの頃である。

1954年、周恩来総理がジュネーブ会議に参加した際、四十の寧波ゴザを寄贈している。寧波のゴザは、現在も夏には欠かせない実用工芸品として、地元の人々を始め国内外から愛されている。

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