譚木匠とブランドをご存知だろうか?
譚木匠は、中国で非常に有名な手作りクシメーカーである。主に木製、牛の角製のクシを製造販売している。すでに中国内だけでも、約900の専門店がある。譚木匠は中国重慶の企業である。54,000㎡の自社工場を有し、1,000人以上の熟練工を雇っている。譚木匠は、譚傳華氏が1995年に「譚木匠」を商標登記し、創業した。譚傳華氏は1957年生まれである。2009年には香港で株式上場を果たしている。

クシと言えば、日用品である。プラスチック製の安い製品と競合する市場である。譚木匠は、たかがクシでも15の特許を取得している。伝統工芸を取り入れたその製品は、実用品でありながら工芸品の価値がある。譚木匠で一番安いクシは18元で販売している。
黄楊と言う、日本の柘植に相当するクシで、一番安いのは38元である。すべてのクシは36の工程を経て生産されている。クシとしては高級品で、価格は高い。
譚木匠でも追随する他社の模造を防ぐために、新商品の開発に力を入れている。新製品を販売するスピードが早ければ、他社が模倣するのも追いつかないと言う戦略を採っている。
大量に新製品を投下し、多品種により消費者を飽きさせない。譚木匠はそのブランドイメージを保持するため、店作りに注力している。商品の品質だけでなく、パッケージにも気を配っている。譚木匠の商品は、全国統一価格で販売している。値引きはしない。そのため、店舗も利益を確保できる。譚木匠が成功したのは、店舗によるブランドイメージ戦略、伝統工芸品としての美しさを兼ね備えた実用性、競合のいない、高級品路線の三つであると言える。中国人による伝統工芸品としてのデザイン、高級品としての価格戦略。
譚木匠は粗利率55~60%、純利25~30%を確保している、超優良製造業である。中国で雑貨の販売をする際、もしくは中国に来た日本人観光客にお土産として工芸品を販売するにしても、譚木匠を参考にすればそこにヒントがある。
住所:北京市崇文門前門大街137号
アクセス:地下鉄2号線の前門駅から出る。



