清の離宮跡 円明園

2012-10-29

北京の円明園は、北京市北西に位置している清朝時代の離宮跡である。清代の康熙帝の時代に造営が始まって、乾隆帝の時代に円明園の東に長春園、南東に綺春園(後に万春園と改称)が設けられた。この時に長春園の北側などにイエズス会の宣教師らの設計を取り入れて西欧風の建築や噴水が造られた。

円明園は中国の優れた造園伝統(3000年あまりの歴史がある)を継承した。宮廷建築の鷹揚もあれば、江南庭園の婉曲もある。同時にヨーロパの庭園建築形式も吸収して多種の建築風格を融合した。総体の分布は調和で完璧とも言えるだろう。「人の手によって作られているが、自然を感じる」と言ってもよい。

円明園は庭園で知られているばかりでなく、豊かな収蔵品を持つ皇家博物館でもある。「もし我が国のノートルダム寺院のすべての宝物を加わえられても、その煌びやかな東方博物館にも及ばない」とフランス作家のユーゴは言った。各殿の中に数えられないシダン木製家具が飾られていて、国外内の稀な文物が陳列されている。中の文源閣は全国四大蔵書楼の一つであって、「四庫全書」「古今図書集成」「四庫全書荟要」などの貴重な書物や文物などが所々に隠れている。

当時としては世界最大の庭園で、清朝文化の結晶であるといわれていた。しかし第2次アヘン戦争時に、英仏連合軍による破壊、略奪を受けて多くの貴重品が失われ、廃墟となった。その後の清朝末期の混乱に乗じて彫刻や建材さえも持ち去られた。中華人民共和国が成立してから修復などが少しずつ進んでいる。

住所:海淀区清華西路28号

交通アクセス:地下鉄2号線「西直門」駅下車、タクシーで約20分

TEL:(010)6265-8207

開館時間:7:00~19:00(4、9、10月~18:00、11~3月~17:30)

所要時間:2時間

定休日:なし

料金:10元、通し券25元

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