車の急増やドライブ旅行の普及に伴い、中国では、ここ数年、車のレンタルが盛んになっている。特に、GWのような大型連休になると、大勢の予約が殺到するだろう。しかし、中国では、車のレンタルは2005年頃から発展してきたものだ。特にここ5年間、レンタカー市場は毎年30%以上の伸びで成長し、世界一の自動車販売大国として、中国のレンタカー市場はいつか世界一になるだろうと見られている。
日本で本格的にレンタカー事業が始まったのは1964年、東京オリンピックが開催され、新幹線が開通した年だ。大型バスによる団体観光から、個人旅行への転換に伴い、利用者も増えている。今では、空港レンタカーや駅レンタカーを使い、レンタカーで観光地を回る人も増えている。飛行機や列車などとの組み合わせによる格安レンタカーが色々とあり、利用者は増えている。
マイカーと比較した場合のレンタカーのメリット:
① コストが低い(必要に応じて使用するため。日頃の車の点検や管理、駐車費用が必要ない)
② 車種の選択が自由(利用目的に応じて車種を選ぶことが出来る。ドライブ目的なら大型のSUVなどを選択、地方へ行くなら、マイカーを運転していくより、レンタカーのほうが便利)
最近日本では、若者のマイカー離れが進んでいる。一方で、若い人ほど自分だけのオリジナルな観光に対する興味が高い。カーナビの普及も後押しして、レンタカー需要は広がりを見せている。
マイカーと比較した場合のレンタカーのデメリット:
① 面子を重視する中国人の場合、モノを借りるより、自分のモノにしたい、ほしい人が多い。
② レンタカーの選別が難しい。いろいろとノウハウが必要。借りる車の状況が把握しにくいところもあり、不安要素になる。
今は、オートマチック車がほとんどで、しかもカーナビがついているので、マイカーでなくとも運転には支障が無い。値段と相談して小型車か大型車かを選ぶだけ。
では、中国でレンタカーを利用する場合、どんな注意点があるか、続いてご紹介する。
1、 料金
車種、都市、時間によって料金が違う。
① 北京、上海、広州のような大都会、また、三亜や青島のような人気観光都市なら、料金はやや高い。
② GWや週末の料金も平日より高い。一般的に、週末は平日の2倍ぐらい、GWは平日の三倍ぐらいになりそうだ。
③ 一般的なの乗用車(10万元程度の乗用車、コンパクトカー)なら、1日に70元、80元ぐらいの基本使用料がかかる。ガソリン代や高速道路の料金は別途必要。レンタル会社によって、1日に走行できる距離に制限がある。例えば、1日120km以内など。距離をオーバーすれば、追加料金がかかる。
④ 車種によって25元から50元ぐらいの手数料が取られる。また、保険料は1日当たり30元から50元ぐらい。
⑤ 事故発生の場合、一般的に、2000元以内の損失は借り手自ら負担する。2000元以上の損失は借り手とレンタル会社がそれぞれ半分負担する。
⑥敷金が必要、車種やレンタルの日数によって違う。
⑦決まった時間内に返さないと、追加料金が取られる。一般的に、4時間レンタルの場合、1時間オーバーすると倍ぐらいの罰金が取られるが、4時間オーバーすれば、1日当たりのレンタル費用の罰金が取られるという。
2、 選択
① 大手レンタル会社を選ぶ。全国にチェーン店のある信用度の高い会社を選ぶ。よく見かけるのは「一嗨」「神州」
② 身分証明書(外国人ならパスポート、中国の居住証明など)、中国で使用できる運転免許、クレジットカード、この三つは欠かせない。
③契約を結ぶ
④車を選ぶ
最近は乗り捨て制度が普及していて、借りた場所で返さなくてもいい。ただし、敷金は車を返してから1ヶ月後に戻ってくる。というのは、契約が終わっても、レンタル会社はレンタル期間中の交通ルール違反記録を調べる。万が一、交通ルール違反の記録があれば、敷金の一部が取られる。聞いた話では、日本で交通違反は自己責任。返す時点で、全ての清算が終わるということ。
中国の車社会の緩和にレンタカーは役に立つ。そのためにも、制度とサービス体制の確立が望まれるのでは?中国は全国民総旅行の時代に入ったと言われる。マイカーで出かけるのは安心なことは安心だが、中国は広いので、どうしてもマイカーで行けないところもある。そのため、レンタカーは選択肢の一つとして良いかもしれない。また、二酸化炭素削減が大いに提唱される今日、必要な時に車を借りて利用すれば、もっと効率的で、環境に優しいライフスタイルになると思う。車の便利さを楽しみつつ、マイカーの管理や維持費用が節約できる。